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拠点・部署ごとの組織力学が見え、
「次に何をすべきか」という明確な示唆が得られる

Koko Global Hospitality (Thailand) Co., Ltd.

Founder and CEO  松田励 氏
Vice President  Nitikoon Soodtikom 氏
Human Resources  Somsiri Mankij 氏
事業内容 Kokotelのブランドを中心としたホテルの運営。
業種 サービス
企業規模 301~500名
導入規模 301~500名

期待

  • ホテル業という「人」が主役のビジネスにおいて競争優位を発揮するために、エンゲージメントの向上や組織風土の改革が必要だった。

  • 以前は、限られたメンバーを対象にした単発のインタビューしかできていなかったため、全従業員を対象にしたサーベイで継続的にエンゲージメントの向上を図っていきたかった。

効果

  • サーベイでは拠点や部署によってスコアに大きな差が見られ、拠点ごと・部署ごとの組織力学を把握することができた。

  • 包括的な設問でサーベイをおこなうことで、今まで見えていなかった課題やニーズが抽出され、組織開発における新たな改善ポイント・開発ポイントに気付くことができた。

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「Kokotel」ブランドを中心にタイで約20のホテルを運営

「事業の概要」

松田氏:
「Koko Global Hospitality Co., Ltd.」は、主に「Kokotel」というホテルブランドをタイで運営している会社です。私はCEOを務めるRei(松田励)と言います。

Nitikoon氏:
私は副社長として、オペレーションやその他の関連部門を統括する役割を担っています。

Somsiri氏:
私は、人事全般を担当しています。

「人」が主役のビジネスにおいて、エンゲージメントは競争優位の源泉

「モチベーションクラウド導入の背景・きっかけ」

松田氏:
私たちの事業は「人」が主役のビジネスですから、従業員エンゲージメントや組織風土は非常に重要であり、競争優位の源泉になるものだと認識しています。競争力を発揮するためにはエンゲージメントの向上や組織風土の変革が欠かせないことから、エンゲージメントサーベイの導入を検討するようになりました。

Nitikoon氏:
元々、私たちはAsian Identity社と一緒に人事領域の変革に取り組んでいました。Asian Identity社が、モチベーションクラウドを使ってエンゲージメント調査をおこなうことを勧めてくれたことが導入のきっかけです。モチベーションクラウドに関する説明を聞いたとき、私たちのニーズにぴったりなサービスだと感じました。

Somsiri氏:
エンゲージメントは、新しく何かを始めるときにも、すでにある課題を解決するときにも原動力となるものです。そのエンゲージメントを高めるため、私たちはモチベーションクラウドを導入しました。

松田氏:

これまでは、エンゲージメントの重要性を認識しつつも、エンゲージメント向上のために特別な取り組みをしていなかったというのが正直なところです。以前、本社スタッフから「経営や会社についてどう考えているか」という意見を収集したことがあります。ただ、これはキーメンバーだけを対象にしたインタビューであり、モチベーションクラウドのように全従業員を対象にしたものではありませんでした。

ほとんどの従業員が、正直かつ誠実にサーベイに回答してくれた

「モチベーションクラウドの導入・運用で苦労したこと」

松田氏:
サーベイを実施するうえで難しかったのは、できるだけ多くの従業員から正直な回答を集めることでした。弊社では、国籍もバックグラウンドも異なる様々な従業員が働いています。約500人の従業員は、タイ人もいればミャンマー人もいます。こうした背景があるため、100%の回答率を目指すのは難しいと思っていましたし、どれだけの従業員が正直に回答してくれるだろうかといった不安もありました。

ですが、御社から正直な回答を得るためのアドバイスをいただいたおかげで、とても有用なデータを収集することができました。サーベイの結果を見ても、ほとんどの従業員が正直かつ誠実に回答してくれたことが分かりました。

Somsiri氏:
人事として配慮したポイントは、サーベイの設問にある「チーム」というのはどの組織を指していて、「上司」というのは誰を指しているのかということを、従業員に正しく理解してもらうことでした。事前に従業員に詳しく説明することで、一定の共通認識のもとでサーベイを実施することができました。

また、各ホテルのホテルGM(管理者)が、従業員にサーベイを実施する意義などを丁寧に説明してくれたおかげで、スムーズにサーベイを進めることができました。

言語についても、大きな問題はありませんでした。英語、タイ語、日本語、ミャンマー語など、対応言語を増やしていただいたおかげで、外国人の従業員もサーベイに回答することができています。

本当の課題・ニーズが分かり、次にやるべきことが見えてきた

「モチベーションクラウドの価値」

松田氏:
初回のサーベイでは、拠点や部署によってスコアに大きな差が見られました。拠点ごと・部署ごとの組織力学が明らかになったのは、私たちにとって非常に興味深いことでした。また、チーム内の関係性が如実にスコアに表れていることには驚かされました。

Nitikoon氏:
最初にサーベイの設問を見たときは、予想以上に項目の数が多いなと感じました。企業がサーベイを実施する場合、「組織が何を知りたいか?」という視点で設問が絞られているのが一般的だと思います。ですが、モチベーションクラウドは設問が多岐にわたっており、包括的です。だからこそ、結果を見たときは多くの気付きや驚きがありました。

たとえば、人事がまったく重視していなかった項目を、実は従業員が大事にしていることが分かったりしました。サーベイによって「本当はどこに課題があるのか?」「従業員は何を求めているのか?」といったことを正しく把握できたのは、エンゲージメント向上を図るうえで非常に大きかったと思います。

Somsiri氏:
従業員が重視していることが分かり、組織開発における新たな改善ポイント・開発ポイントに気付くことができました。モチベーションクラウドは単なるサーベイではなく、「次に何をすべきか」という示唆を与えてくれるツールであり、人事の私にとって非常に心強いツールだと感じています。

松田氏:
私たちの課題の一つは、チームリーダーに対する信頼を高めることです。いくつかのチームでは、リーダーとメンバーが良好な関係を築けている一方で、いくつかの拠点ではリーダーの信頼が不足していました。これはモチベーションクラウドを導入する前から気になっていたことですが、サーベイによってリーダーの信頼度合いが可視化され、信頼を得られていないリーダーが誰なのかも明らかになりました。今後は、信頼を獲得できていないリーダーたちが、改善のためにどのようなアクションプランを実行できるかだと思います。

モチベーションクラウドを導入して良かったなと思うのが、定期的なサーベイを通して、従業員に「会社が自分たちのエンゲージメントや満足度の向上に努めている」という共通認識を持ってもらえたことです。こうした共通認識があることは、ポジティブな組織風土を醸成するうえで大きなアドバンテージになると思います。

Nitikoon氏:
「従業員が意見を言える場所」として、モチベーションクラウドには大きな価値があると感じています。「従業員のために」と思って会社があれこれ施策を講じても、それらが実際に従業員の期待に沿ったものでなければ意味はありません。その点、モチベーションクラウドは満足度だけでなく「期待度」も把握できるので、従業員が期待していることに焦点を当て、その期待に応えていくことができます。

松田氏:
モチベーションクラウドのメリットは、サーベイだけ、あるいは研修だけをおこなって終わりではなく、サーベイと研修が連動した包括的なサービスであることです。

今後の運用では、継続的にスコアを見ていくことが重要だと感じています。もちろん、タイや日本の他の会社と比較することにも意味がありますし、前回の結果と比較することも大切です。何度かサーベイを実施してみて、従業員の期待には変化があることが分かりました。こうした期待の変化も含めて、常に組織状態を把握できるように努めていかなければいけません。

拠点ごとに、自分たちでアクションプランを策定・実施できるようになった

「改善に向けた取り組み」

Nitikoon氏:
サーベイで分かったことの一つが、従業員がコミュニケーションを求めているということでした。経営陣やリーダー層は十分にコミュニケーションをとっているつもりでしたが、実際には足りていなかったということです。そのため、コミュニケーションをより充実させるための行動計画を立て、実施していきました。

たとえば、会議の仕組みを少し変更しました。これまで、経営からのメッセージはReiさんがタウンホールミーティングで伝えて終わりでしたが、タウンホールミーティングの後に小さな会議を設け、そこで再びReiさんのメッセージを伝え、共通理解を深めるようにしました。

Somsiri氏:
サーベイの結果は、ホテルGMや拠点の本社の部門長にフィードバックしています。ホテルGMや本社の部門長はチームでコミュニケーションを図り、改善計画を立てて実行していきます。拠点ごとに自分たちで改善項目を決め、自分たちでアクションプランを立てて実施できるようになったのは良かった点です。

アクションプランとして研修を取り入れる拠点・部署も多くありました。拠点・部署ごとに週次や月次でトピックを選定し、メンバーに研修をおこなっていました。人事部でも半年に一度のペースで研修を実施して、補うようにしています。

人事が立てたアクションプランの一つは、コーポレート部門の改善でした。私は人事部長として毎月、各部長たちとミーティングの場を設けるようにしました。それぞれの部門の現状や要望を把握し、サポートが必要であればサポートをします。この半年間のミーティングは収穫が多かったので、今後も継続していきたいと思っています。

松田氏:
私はCEOとして、モチベーションクラウドに関して2つのKPIを設定しています。それが、「理念の浸透」と「経営への信頼」です。そのためにまずおこなったのは、会社のパーパス・ミッションを策定し、従業員に伝えることでした。新しく制作したアニメーションビデオでは、私がキャラクターとなって、タイ語でパーパスやミッションを説明しています。タイ人とのコミュニケーションでは、こうした方法が効果的だと考えたからです。この2つのKPI達成を目指すことで、サーベイのスコア向上につなげていきたいと思っています。

Somsiri氏:
チーム・部署でアクションプランを策定した後、アクションプランを他のチーム・部署に共有し、お互いに意見を交換する機会を設けました。これまで、多くのチームは他のチームと積極的にコミュニケーションを図ることがなかったため、お互いの視点を理解することができませんでした。しかし、この取り組みを始めてからは、アクションプランの進捗も含め、チーム・部署間の相互理解が深まりました。

従業員の意見に耳を傾け、変革につなげていける会社でありたい

「モチベーションクラウドで実現したいこと」

松田氏:
従業員同士が尊重し合い、一人ひとりの成長に目を配るような組織風土をつくっていきたいと思っています。今は500名程度の会社ですが、今後はもっと従業員が増え、もっと規模の大きな会社へと成長していくでしょう。ただ、どんなに組織が拡大し、拠点が広がっても、グループの一人ひとりが共通の価値観を持ち、揺るぎない組織風土がある会社でありたいと思っています。これが、モチベーションクラウドで実現したい未来の姿です。

Nitikoon氏:
従業員が安心して働きながら、成長できる会社が理想です。そして、会社が従業員の意見に耳を傾け、行動し、変革につなげていける会社でありたいと思っています。

Somsiri氏:
私は、一人ひとりの従業員の声が尊重される会社にしたいです。会社がどれだけ成長しても、従業員が自由に意見を発信し、自分自身を表現できる場所であることを望んでいます。

※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞や場所等は取材当時のものです。

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