事業内容 |
エナジー、プラント・インフラ、物流・冷熱・ドライブシステム、航空・防衛・宇宙 |
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業種 | 機械・エレクトロニクス |
企業規模 |
2001名~ |
導入規模 | 101名~300名 |
ミドルマネジメントが自分の組織を変えていくために使うツールが欲しかった
組織や会社について本音で話せる仲間を増やしたかった
マネジャーと部下の関係性を強化し、マネジメントを機能させたかった
サーベイの結果、部門ごとの違いが明確に出たので、部門に合ったアクションを選びやすくなった
サーベイの結果を見たミドルマネジメントが「どうしたら職場が良くなるのか?」を考え実行し始めた
「事業内容と部署の業務内容」
水谷氏:私たち民間機セグメントは、名古屋で航空機を製造している事業部門です。主に、民間機の主翼や胴体などの構造部材を作っており、部品の調達から組み立てまでをおこなっています。
藤井氏:そのなかで組織風土改革グループは、航空機事業に携わる従業員のエンゲージメントを高めていくことをミッションとした部門です。従業員全員がエンゲージメントの高い状態で働き、自分の持ち味を最大限に発揮して組織に貢献していく姿を理想として活動をしています。
10年ほど前、製造品質に関わる問題が発生したんです。もちろんマネジメントの問題や、会社の仕組みの問題もありましたが、一番大切なのは一人ひとりの従業員が自分の仕事に誇りを持てているか、正しいものづくりができてるかどうかだと思います。それができなければ、製造品質をはじめとする様々な問題は解決していきません。そういった、従業員が誇りを持って仕事に向かっている状態を目指そうとしたのが、活動のスタートでした。
組織風土改革グループが正式な組織として発足したのは2016年です。私はもともと技術職として働いていたのですが、発足のタイミングで組織風土改革グループに異動してきました。私自身も航空機を作るなかで、より社会や世界に貢献していこうと思ったら、組織や自分たち従業員1人1人が心から変わっていかなければいけないと感じていたからです。
「組織改善の取り組み」
藤井氏:私たちが組織風土改革の中心としてきたのが「対話」です。一人ひとりの従業員と対話することを一番大切にして、活動を続けてきました。会社の中にいてこの制服を着ていると、なかなか本音で話すのが難しいものです。しかし、建前で話している限り、本当の意味で組織を変えることなんてできません。ですから、制服を脱いで会社の外へ出て、もっとフラットな雰囲気でフランクに、でも真面目に対話をしましょうということで「オフサイトミーティング」という場を設けました。
水谷氏:オフサイトミーティングを始めた理由の一つとして、組織や会社について本音で話せる環境がなかったということもありました。みんな職場には仲の良い人がたくさんいるけれど、組織への問題意識や未来に向けて実現したいことなど、腹を割って本音で話せる仲間はなかなかいません。
私は、2021年の4月に工作部門から異動してきたのですが、前の現場では淡々と目の前の仕事をこなすだけの日々を送っており、「今のやり方、このままのマインドで仕事を進めて未来はあるのだろうか・・・」というような漠然とした不安を抱えていました。
ですが、当時の私は任された仕事をするだけで、自分で考えてアクションするとか、周りを巻き込んでチャレンジするとか、従業員のエンゲージメントを高めるとか、そういった発想はなかったんです。組織風土改革グループの考えや取り組みを聞いて初めて、従業員一人ひとりの幸せがあって、それが組織や会社の幸せになるんだということに気が付きました。
本音で話せる職場の仲間を作っていくことは、私たちの活動において大事なことだと思っています。
「モチベーションクラウド導入前に感じていた組織課題」
藤井氏:私が組織風土改革活動をしてきて、ずっと「解決しなければ」と思っていたのがマネジメントの問題です。私たちは客観的な立場から現場を見ることができたのですが、マネジメントが機能しない原因は必ずしも全てがマネジャーにあるとは限らないんですよね。
もちろん、マネジメントの仕方に原因があるケースもありますが、一方で従業員一人ひとりの受け取り方にも原因があるケースも多く、両者それぞれの課題が見えてきました。
そもそも、マネジャーと従業員の間にきちんとした関係性ができていないために、だんだんと齟齬が生まれ、お互いが離れていってしまうという問題構造があることに気付きました。そして、それが会社内のあらゆる階層で起きていたのが大きな課題だったと思います。
水谷氏:問題を周囲のせいにしてしまう風潮も課題だと感じていました。私自身もそうだったのですが、「誰かがやらないから私もやらない」というように、無意識に言い訳をしてしまう人が多いと思っていました。
藤井氏:周囲のせいにしてしまうということに加え、オフサイトミーティングでは「会社がこうだから」というように、組織のせいにする言葉を聞くことも多かったですね。ですが、組織のせいにすると「自分にはどうしようもできない」と、そこで思考停止してしまいます。思考停止したら何も変わらないので、「とはいえ、自分ができることは何だろう?」と考えなければいけません。
「モチベーションクラウド導入の背景」
水谷氏:弊社は2016年から社員意識調査を始めたのですが、これは全社を対象にした調査でした。従業員何万人という単位でおこなうものなので、私は現場の従業員の一人として、自分ごととして捉えることが難しいと感じました。対象者数が多く、調査結果のフィードバックにも時間がかかってしまうので、「職場単位でのスピード感や実態に沿った組織風土改革には繋がりにくい」という印象でしたね。
藤井氏:全社を対象にした社員意識調査は、経営陣や幹部クラスが使うためのサーベイだと思っています。その結果を使って10人、20人単位の職場を変えていくのは難しい話で、粒度が全然違うと思うんです。
弊社は、社員意識調査の他にもサーベイツールを持っていて、たとえばチームメンバー同士の状態を確認するようなサーベイもあります。ただ、いろいろあるなかで抜けていたのが、ミドルマネジメントが自分の組織を変えていくために使うサーベイでした。この抜けていたサーベイを探していて、そこにちょうどマッチしたのがモチベーションクラウドだったんです。「モチベーションクラウドの価値」
水谷氏:ミドルマネジメントがサーベイの結果を真摯に受け止めて、「どうしたら職場が良くなるのか?」ということを真剣に考えてくれています。スコアが良くないのを見て、早くもアクションを起こそうとしたマネジャーもいましたね。「こういうアクションをしていこうと思うのですが、相談させてもらえませんか?」と連絡をくれたんです。
藤井氏:これはすごく嬉しかったですね。以前だったら、私たちから「どうしますか?」と促さなければ、アクションは出てきませんでした。このような意欲的な動きが生まれるのも、モチベーションクラウドが「自ら考えるのをサポートする作り」になっているからだと思います。
まだ導入したばかりではありますが、サーベイの結果を見たミドルマネジメントが次にやるべきことを考えたり議論したりしているので、すでに少しずつ日々の行動は変わってきていると思います。
水谷氏:サーベイの結果が、誰が見ても分かりやすい形で出てくるのも優れた点だと思っています。項目ごとに結果が出てくるので、本当に分かりやすいですよね。
藤井氏:結果が分かりやすいだけでなく、そこからアクションに紐付けやすくなっていますよね。サーベイツールって結果を見るだけで満足したり、結果をどう解釈していいのか分からなかったりすることが少なくありません。その点、モチベーションクラウドは具体的なアクションを考えやすいのが良いところです。
結局、組織を変えるために何が必要かと言えば、「一歩踏み出すこと」だと思うんです。大がかりな制度や仕組みを作ることではなく、まず自分ができる一歩を踏み出すことが大事だと思っていますので、その一歩を後押ししてくれるという意味で、モチベーションクラウドは非常に実効性の高いツールだなと思います。「サーベイを実施した感想」
水谷氏:今は、私たちも含めた4つの部門でモチベーションクラウドを導入しています。最初のサーベイを実施するときは、それぞれの部門の違いが出ればいいな、くらいに思っていたのですが、見事に違いが出てきましたね。同じような結果が出るのではなく、それぞれの組織の実態に合った結果が出て、各組織の特性がくっきりしました。
藤井氏:期待値と満足度という2つの軸でサーベイを取れるのも良いですよね。組織のミッションや業務、働き方が違えば当然、期待値も満足度も変わってきます。たとえば、みんなで一緒に仕事をする製造現場と、デスクワークなどどちらかと言うと一人で仕事をすることが多い管理部門では、期待値が高くなる項目が違うわけです。そのあたりの差が明確に現れたので、各組織の実態に合ったアクションを選択できます。そこは非常に効果的だなと感じています。
サーベイを実施した4つの部門で共通していたのが、組織風土に対する期待値が高かったことです。これを見て、「私たちが今までやってきた組織風土改革の取り組みは間違っていなかったんだな」という気持ちになれました。
10年前に活動を始めたときは、「組織風土を変えたところで何の意味もない」とか、「組織風土がどうやって業績に紐付くんだ」とか、面と向かって言われたこともありました。ですが今は、事業を良くしていくためにも組織風土が大事だと考える人が増え、そこに期待してくれているわけです。満足度はまだまだこれからですが、期待値の高さから共感してくれる仲間がたくさんいるんだと分かって、すごく勇気づけられましたね。
「モチベーションクラウドで実現したいこと」
藤井氏:モチベーションクラウドを他の部署やチームに広げていくにあたって、こちらから「やりなさい」と言うのは違うと思っています。理想的なのは、今導入している4つの組織が変わっていって、それを見た周りの部門から「うちも導入したい」という声が上がってくることです。そういう広げ方をしていけたらなと思っています。
あとは、やはり続けていくことです。私たちの組織風土改革は対話からスタートしましたが、モチベーションクラウドのような組織診断ツールを導入したからと言って、対話が必要なくなるわけではありません。一人ひとりのリーダーと対話をしながらアクションを支えていくという姿勢は、今までと変わらず保ち続けていきたいですね。
「今後に向けて」
水谷氏:三菱重工グループ全体として見ると、飛行機だけでなく電車や船、ビルや橋、発電所も作れますし、宇宙にもつながっています。こんな会社は、世界中見渡してもなかなかありません。そういう会社で働けることにみんなが誇りを感じながら、未来を描いて、生き生きと仕事をできる組織にしていけたらいいなと思っています。
藤井氏:三菱重工の歴史は長く、先人がチャレンジを続けながら今日まで成長してきた会社です。今度は、次の時代に製品やサービス、社会インフラを渡していくのが私たちの役割です。未来につなげていくためには、一人ひとりがチャレンジして、組織が変わり続けていくことが一番大事だと思っています。そういったチャレンジを一人ひとりが楽しいと思えるような組織を目指していきたいですね。
事業内容 |
主翼、胴体パネルなど、民間航空機用構造部位の製造 |
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部署の業務内容 |
ボーイング787の主翼の艤装作業 (配管、電線、塗装など) |
業種 | 機械・エレクトロニクス |
企業規模 |
2001名~ |
部署規模 | 101名~300名 |
取り組んだ組織課題 | 情報提供、内部統合 |
約1年間でのエンゲージメント スコアの変遷 |
45.6 ⇨ 62.0 |
コロナ禍で事業環境が厳しかった中で、メンバーのモチベーションが下がり、職場内に不安や諦めがまん延していた
上司とメンバーが互いのことを理解できておらず、不信感が募っていた
メンバーに対して事業や顧客の状況について積極的に共有し、情報の透明化を図った
「関係性を良くする」という目的に特化したチームミーティングを始めた
活発な意見交換や業務連携が生まれるようになり、生産品質が向上した結果、不適合率(手直し率)を約50%削減できた
メンバー同士の関係性が良くなったことで、良いことも悪いことも包み隠さずに言い合える組織になった
「抱えていた課題」
宮原氏:新型コロナウイルスの影響により、民間航空機は新規需要が激減し、弊社も大きな影響を受けました。客先の生産状況に合わせて、生産を一時停止するなどの生産調整を実施したほか、一部の人員がグループ内で異動になったり関連企業へ出向したりしました。市場の回復が不透明ななか、従業員のモチベーションも低下し、職場内でも不安が大きくなっていました。
紫前氏:組織風土改革の一環として、モチベーションクラウドを導入したのですが、出てきた結果を見ても、組織状態は良いとは言えませんでした。サーベイから「上司に不満がある」「納得感のない仕事をしている」といった結果が読み取れたのですが、誰もが納得する結果でしたね。当時は、班のミーティングが愚痴出し大会のようになることもありました。
中原氏:上司はメンバーの強みや持ち味を理解できておらず、メンバーも上司の思いを理解できていませんでした。お互いに不信感がある状態だったと思います。そのような状態では当然、職場内での助け合いも生まれません。メンバーは達成感や貢献感を得られず、厳しい事業環境も相まって、職場に諦めがまん延していました。
「改善のためのアクション」
宮原氏:組織風土改革の活動は、モチベーションクラウドを使って組織状態を可視化し、抽出された課題に対策を講じていくことを基本としていました。具体的におこなった施策の一つが、メンバーが任意で参加する「オフサイトミーティング」です。これは、職場から離れた環境で、気楽に真面目な話をするミーティングで、「組織をこうしていきたい」「事業をこうしていきたい」といったことを本音で話す場です。
中原氏:情報の透明化を図ったのも施策の一つです。以前は、現場のメンバーに事業や顧客の状況について、情報が共有されることはほとんどありませんでした。そのせいもあってか、メンバーは仕事の目的や自分の役割を理解しないまま、指示されたことをこなしているような場合もありました。このような状態を改善するべく、私からメンバーにどんどん情報を共有するようにしました。
また、個々のメンバーが自ら「どうしたいか」を考え、上司もメンバーに「期待している姿」を伝え、お互いが納得できる年間目標を設定するようにしました。設定した目標に関して都度、進捗確認をしつつ、半年に一度の面談でフィードバックをおこないました。
紫前氏:私は、組織風土改革の「現場リーダー」として活動していました。現場リーダーとして「一番いいチームにしよう!」という意気込みで取り組んでいたのですが、最初は一人で空回りしていました。自分の「もっとこうしたい」という思いと、メンバーの感情との間には大きなギャップがあったと思います。
どうすればチームが良い状態になるのかと考え、出した結論が「関係性」をより良くしていくことでした。メンバーとの信頼関係が十分でない状態では、どのような働きかけをしても効果的ではないと思い、まずは関係性を良くしていくしかないと考えました。関係性を良くするというのは、ちょうどその頃、盛んに言われるようになった「心理的安全性」に近いと思っています。「言いたいことが言える」「ネガティブな話題であっても本音を言える」関係性をつくることができれば、チームの問題解決につながり、結果的にメンバーのモチベーションも上がるだろう、チーム全体が良い方向に向かっていくだろうと思いました。
そこで、具体的に始めたのが「関係性を良くする」という目的に特化したチームミーティングです。チームミーティングでは、個々のメンバーが考え方や価値観を話したり、プライベートも含めた自己開示をしたりすることが多かったです。「こういう仕事がしたい」「こういう班になってほしい」など、「こうしたい」という思いをひたすら語ってもらったこともありました。
私が目指していたのは、特定の人同士を結ぶ線が太くなるのではなく、全員がまんべんなくメッシュ状につながる関係性です。ですから、発言の回数もできるだけ均等になるようにファシリテートしていました。チームミーティングの頻度は数ヶ月に1回でしたが、1回の時間は2~3時間と、時間を長めにとってやっていましたね。
宮原氏:仮に10人が2時間のチームミーティングに参加したとすると、20時間分の工数になります。そこには確かにコストが発生していますが、私は組織の状態が良くなれば、そのくらいは簡単にペイできると思っています。むしろ、やらないと組織状態が悪くなり、会社に悪影響が出るという危機感があります。ですから、チームミーティングのような取り組みを主体的に進めてもらえるのは大歓迎でした。組織への投資だと思っています。
紫前氏:最初は、「他の仕事もある中で参加したくない」などネガティブな反応もありました。ただ、7割くらいのメンバーが賛同してくれたら、残りの3割はおのずと付いてきてくれると思っていたので、賛同してくれるメンバーを1人ずつでも増やしていこうという気持ちでした。
逆に、最初から全員がノリノリでも嘘くさいですよね。懐疑的な方のほうが、ミーティングで皆が片方の意見に傾いているときに、クリティカルな意見を言ってくれたりします。そういう方も当然必要なので、全員が諸手を挙げて賛成でなくてもいいと思っています。
チームミーティングだけでなく、普段の会話から関係性を良くすることは意識していました。たとえば、あまり接点がない2人が話せるようにあえて仕向けるなど、コミュニケーションが偏らず、全員がフラットに関係構築できるような工夫をしていました。
こうした取り組みを進めるなかで、自分と他のメンバーの線が少しずつ太くなっていく感覚はありましたが、メンバー同士をつなぐのには苦労しました。関係性が薄い方たちの線を太くするために、メンバー全員で総当たりの1on1ミーティングをしたこともありました。
「組織の変化ともたらされた成果」
中原氏:情報をオープンにするようになってからは、個々のメンバーが事業のことや会社のことに興味を持つようになりました。組織の取り組みに対しても、「あれって今、どうなってるんですか?」など、いろいろ質問されるようになりましたし、共有した情報をネタにメンバー同士で話をするようなシーンも増えました。休憩中にも活発なコミュニケーションがおこなわれるようになり、それが仕事上の問題解決につながるなど、好循環が生まれています。
紫前氏:チームミーティングや日頃の工夫の積み重ねもあり、メンバー同士の関係性が良くなり、そこからチームの状態も上向いていったように思います。メンバー間の相互理解が進んだことで、活発な意見交換や業務連携が生まれるようになり、生産品質が向上しました。具体的な指標で言うと、生産時の不適合率(手直し率)を約50%削減することができました。
宮原氏:不適合率の削減に関しては、素直にすごいなという驚きと、よくやってくれたという称賛の気持ちしかありません。ずっと同じような数値が続いていて、下げ率も限界かなと思っていましたし、私自身も「どうしたら下がるのか」というアイデアを持っておらず、有効なアドバイスができませんでした。
アイテムごとに責任者を決め、役割を明確にしたうえで生産をしていたようですが、不適合率はそれだけで下がるものではありません。昔だったら、「俺は俺のやり方でやるから口出ししないでほしい」と言いそうなメンバーも、責任者の声を聞き、周りと協力しながら仕事に取り組んでいました。チーム内に良い関係性ができていたからこそ、みんなが一丸となって目標に向かい、50%削減という結果につながったのだと思います。組織風土改革を起点にして不適合率を半分にしたというのは、本当に素晴らしい成果です。
紫前氏:日々の声かけや情報共有、役割分担など、「こうすれば仕事は上手くいく」という手応えを皆が得られたと思います。不適合率が50%下がったことより、そのプロセスのほうが貴重な成功体験だったのではないでしょうか。
今は、メンバー同士が思っていることを言い合える関係性ができており、「良くない」と思えば指摘やフィードバックもできる状態になっています。しかも、後輩から先輩に言うこともあります。信頼関係ができているから、良いことも悪いことも「そうだね」と受け止められるのだと思います。
「今後の展望」
宮原氏:私が理想とするのは、上からの指示がなくても自分たちで主体的に考え、議論し、改善し、なおかつ事業成果も生み出していける組織です。「これが課題だ」「どうやって改善しよう?」「こうしてみよう」「やってみてどうだった?」というサイクルを主体的に回せるようになれば、すごく強い組織になれるはずです。
このチームは、私が思っていた以上に強い組織になってくれました。一方で、課全体に目を向けると、エンゲージメントスコアがなかなか上がらないチームもあるので、そういったチームには、ある程度寄り添いながら主体性を高めていかなければいけないと思っています。グッドサンプルがそばにあるわけですから、課内で意見交換や共有会をおこないながら、追いつけ追い越せで改善していきたいですね。
さらに言えば、課のレベルを越えて、部やセグメント、そして会社全体に、このグッドサンプルを広めていきたいという思いがあります。あちこちに主体的な組織が生まれれば、会社全体が良くなるはずです。そのために自分たちの事例を広めていくことが、これから私がやりたいことであり、やらなければいけないミッションだと思っています。