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モチベーションクラウドは「人間ドック」
健康診断では見えない課題を可視化し「Well-being」実現を目指す

日清食品株式会社

Well-being推進部 次長 石山和裕 氏
事業内容

即席麺等の製造および販売

業種 食品

企業規模

1001名~2000名
導入規模

301名~500名

期待

  • 施策の効果や組織状態を把握できていなかったので、可視化したかった。

  • 内製のエンゲージメントサーベイは実施に負担(手間・時間)がかかり、かつ客観性に欠けていたので、専門的なサービスを導入したかった。

効果

  • エンゲージメントサーベイを実施する負担(手間・時間)が大幅に軽減された。

  • サーベイ結果から自社の強み・弱みを客観的に、納得感を持って認識できた。

  • 各部門で、コミュニケーションの改善を中心に様々な施策が実施されるようになった。

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「成長の実感」「心の健康」「体の健康」の3本柱でWell-beingを推進

「事業および部署の概要」

石山氏:日清食品は、カップヌードルなどのインスタントラーメンを中心とした加工食品の製造・販売会社で、私はそこで「Well-being推進部」の次長を務めております。Well-being推進部は、『食』と『Digital』を駆使して社員と社会をHappyにする」をパーパスとして発足した新しい組織です。

 Well-beingは、会社によって定義付けが変わってくるものだと思いますが、当社では日清食品らしさを出すために「成長の実感」「心の健康」「体の健康」という3つの軸で定義しています。この3つを日清食品流のWell-beingとして、実現のために今、様々な施策を練っているところです。

1on1などの施策が形骸化しており、組織状態を把握できていなかった

「モチベーションクラウド導入の背景」

石山氏:部署間や上下間のコミュニケーションが不足していたことを課題の一つだと認識していました。

コミュニケーション改善のために数年前から1on1ミーティングを導入していたのですが、十分な効果は得られていなかったというのが正直なところです。部下がどのように思っているかが分からず、組織がどう変わったかも分からないという現状がありました。

1on1に限らず、人事部主導で様々な施策をおこなっていましたが、やっただけになっているものも多く、私自身も常々、何とか施策の効果を可視化して組織にフィードバックしていきたいと考えていました。

組織状態を数値化・見える化するために、エンゲージメントという指標に着目し、エンゲージメントを測るためにモチベーションクラウドを導入したという流れがあります。

ただ、エンゲージメントサーベイに関しては、昨年から内製で実施していました。いろんな本を読み漁って設問を考え、月に1回、15問の調査を約500名の社員を対象に行っていました。当然のことですが、内製なので自分たちでメールを送り、エクセルで集計し、フィードバックの資料をつくるところまで全部やります。とにかく手間と時間がかかりましたし、集計の間違いもありました。

集計や資料づくりばかりに追われて、「これは何のためにやっているんだっけ?」と目的を見失っていた時期もありました。調査結果を見ながら、各部門と一緒にエンゲージメントを高める施策を考え、それを実行していくことが本質であったはずなのに、集計して数値を共有することが目的になってしまっているフシがあり、このままではいけないと思い直します。

親会社である日清食品ホールディングスで導入している社員情報システムもあるのですが、エンゲージメントを調査し、向上させるという目的ではうまく活用できませんでした。やはり、外部の専門家が提供しているエンゲージメントサーベイを活用しようという話になり、いくつかの会社からお話を伺った結果、モチベーションクラウドに決めました。

大きな決め手になったのは、当社の社風とマッチしたことです。日清食品は、スピード重視で「まずやってみて改善する」という社風があります。リンクアンドモチベーションさんは提案もレスポンスもすごく早く、当社が実現したいスピード感で一緒にやっていけそうだと感じ、数あるサービスの中から選定させていただきました。

エンゲージメント業界では最大手で、他社の膨大なデータを保有されていることも大きかったですね。内製のエンゲージメントサーベイでは、各部門長から「客観性が欲しい」といった要望をもらうことがありました。たしかに、内製の場合は社内での良し悪しは分かりますが、他社と比べたり、業界内での位置づけを把握したりすることはできません。その点でも、モチベーションクラウドの実績やデータベースは安心材料になりました。

内製のサーベイでは分からなかったことが見えるように

「モチベーションクラウドを導入してみて」

石山氏:モチベーションクラウドは、比較的スムーズに浸透したと思っています。当社には、少しでもいいから今日よりも明日成長していこうという意味を込めた「成長実感カンパニー」というやりがい、働きがいを見つけて、自分らしく働ける組織を実現する為の取り組みがあります。このような背景もあり、少しずつでもサーベイのスコアを上げて、組織を良くしていきましょうと呼びかけたら、みなさん非常に協力的に取り組んでくれました。

初回のサーベイのエンゲージメントスコア(※)については、担当コンサルタントの方からは「業界の中でも高いスコアです」と言われました。ですが、個人的にはもっと課題が出てくると思っていましたので、嬉しかったという感情はなく、驚きのほうが大きかったですね。

※エンゲージメントスコアとは、社員の会社に対する共感度合いを表す指数です。

強みで言うと、「理念戦略」や「事業内容」などの項目は社員の共感が高く、良いスコアが出ていました。日清食品は歴史があってブランドも大きく、誇りを持って働いている社員が多くいますので、この結果は非常に納得感がありましたね。ですが、逆に考えると、そこに「安住している」社員が多いという側面も見えてきます。

社長の安藤徳隆がよく、カップヌードルに依存している状況を「甘えの構造」と言い、危機感を口にしています。言葉を選ばずに言えば、社員が成長しなくてもカップヌードルは一定売れるでしょう。ですが、それに甘えていたら成長はなく、「カップヌードルをぶっつぶせ!」くらいの気概で変革にチャレンジしていかなければいけません。

しかしながら、多くの方がカップヌードルを知っていて、「美味しいね」と言ってくれることに対して、安住してしまっている社員もいるのかなと感じています。ここに関しては、エンゲージメントスコアが高かったからこそ、同時に危機感を覚えたところでもありました。

弱みとして出てきたのは、コミュニケーション面です。決してスコアが低いわけではありませんが、課題として見えてきました。先ほどお話ししたように、コミュニケーションの希薄さを感じていて、1on1ミーティングやクロス1on1などを改善していこうというタイミングだったので、この結果も納得感がありました。

モチベーションクラウドはまさに組織の「人間ドック」

「モチベーションクラウドの価値」​​​​​​​

石山氏:内製のエンゲージメント調査のことを我々は「健康診断」と例えていたのですが、それとの比較で言えば、モチベーションクラウドはまさに「人間ドック」です。年1~2回のサーベイで、組織の状態を細部まで把握することができます。健康診断も人間ドックも、何度も受ければストレスになるので、バランスを取りながら組織状態をチェックしていきたいと思っています。

モチベーションクラウドは人間ドックですから、健康診断では把握できなかったことも見えてきます。担当コンサルタントの方にサポートいただきながら分析した結果、「この部署って、こんなにスコアが低いんだ」というように、内製の調査では分からなかった部署の特性が見えることもありました。スコアが低かった部署は、現状を突き付けられて最初は落ち込んでいましたが、組織改善に向けたマイルストーンを立てて施策に取り組んでくれています。毎月、全ての部門長とフィードバックの面談をするようにして、一緒にやり方を考えています。

このように、各部署で組織改善に向けた動きが見られるようになりました。コミュニケーションの改善施策では、1on1をやるだけでなく「いかに質を高めていくか?」という話から、小さな集団でミーティングをやろうとか、目的ごとにミーティングを切り分けようとか、ミーティングの回数を減らそうとか、様々な議論がされています。どのような施策が的確なのかは部署によって変わってきますが、みなさん苦慮しながらも前向きに動いてくれています。このような取り組みが生まれてきたことが、私がモチベーションクラウドを導入していちばん良かったと思っていることです。

ただ、私が口酸っぱく伝えているのは、「スコアを上げるためにやるのはやめよう」ということです。スコアが指標になりますが、スコアを上げることが目的ではなく、組織を改善することが目的です。サーベイは、あくまでも組織改善の手法であるということは繰り返し伝えています。そのあたりは、リンクアンドモチベーションさんにもよくご理解いただいており、「日清食品さんの理念実現のために伴走させてください」と言ってくださっていますので、価値観を共有できている安心感はありますね。

あとは、ツールとしての使い勝手にも満足しています。最初は、結果をもらって終わりだと思っていたのですが、クラウド上で自分で様々な分析ができます (※) 。UIデザインも分かりやすく、直感的に操作できますし、何より自分でいつでも見にいけるのは非常に良いところだと思っています。

※ 「サービス内容」ページご参照

内製でサーベイを実施していた頃と比べると、エクセルで集計してパワーポイントで資料をつくって、という負担がなくなり、かなり楽になりました。しかも、サーベイの結果が出るスピードも速いですしね。

「成長実感カンパニー」の実現に向けた動きを加速させる

​「モチベーションクラウドで実現したいこと」​​​​​​

石山氏:弊社が「成長実感カンパニー」という合言葉を掲げた5~6年前から、日々みんなで成長を実感していこうという方針は今も変わりません。今後は、成長実感カンパニーの実現に向けた動きをさらにスピードアップさせるために、モチベーションクラウドをうまく活用していきたいですね。

当社は、どこか他人事なコンサルタントは要らないと思っていて、本質的に伴走してくれるパートナーを求めています。リンクアンドモチベーションさんには、当社内の正直な事情まで赤裸々にお話ししているので、引き続き、徹底的に伴走していただきたいと思います。

「カップヌードルをぶっつぶせ!」の気概で、主体的に動ける個人・組織をつくっていきたい

​「今後に向けて」​​​​​​

石山氏:これまでは、受け身の姿勢でも何とかなってきたところがあるかもしれませんが、成長するためには自発的にアクションをして、改革を進め、物事を変えていける個人・組織でなければいけません。先ほど、「カップヌードルをぶっつぶせ!」というお話をしたとおり、主体的に動ける個人・組織をどんどんつくっていきたいですね。

私は日清食品に入ってからずっと営業部に所属しており、直前は課長職に就いていました。部下には、新入社員から60代の社員までいましたが、当時から楽しく働くことがいちばんだと考えていました。果たしてそれを「Well-being」と言うのか、「モチベーション」と言うのか、「やりがい」と言うのか分かりませんが、とにかく雰囲気が良い職場をつくろうと努めてきました。

もちろん、楽しさは厳しさと表裏一体のところもありますが、職場の雰囲気が良くなれば社員が生き生きと働けるようになり、その結果、売上につながるなどの好循環を実感してきました。このような経験から組織開発に興味を持ち、今の部署に異動させてもらったという経緯があります。

今、「Well-being」という名前の付いた部署になっていますので、これからどんどんWell-beingの実現に向けた取り組みを進め、社内・社外含めたすべてのステークホルダーのみなさんに日清食品の魅力を発信していきたいと思っています。

※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞や場所等は取材当時(2022年12月)のものです。

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