事業内容 |
経理、人事、知的財産、物流、情報システム、ブランド管理、調達などの専門機能 |
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業種 | 機械・エレクトロニクス |
企業規模 | 2001名~ |
導入規模 | 2001名~ |
グループ共通の従業員意識調査では明らかにならない職場レベルの課題を把握し、組織改善を図りたかった。
最短最速で人材が育つ会社にするためにはピープルマネジメントを強化する必要があり、そのためにマネジャーを支援する仕組みを整えたかった。
サーベイによって職場レベルの強み・弱みが一目瞭然になり、改善まで支援してもらえる。
現場のマネジャーがピープルマネジメントに活用でき、組織改善を進められる。
担当者がサーベイの実施・運用を手厚くサポートしてくれる。
「事業および部署の概要」
杣友氏:2022年4月にパナソニックがホールディングス化した際、いわゆる「本社機能」がほぼスライドするような形で「パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社(PEX)」が生まれました。人事、経理・財務、調達、物流、品質管理、ブランド、情報システム、施設管理など、あらゆるバックオフィス機能を集約した会社であり、パナソニックグループ各社のオペレーションを支援しています。
そのなかで、我々人事センターは、パナソニック ホールディングス株式会社(PHD)と、パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社、この2社の人事業務を担っています。従業員と組織が常に成長していくためには、当然ながらモチベーションやエンゲージメントを高めていかなければいけません。そのために様々な職場課題を改善し、より良い職場環境を整えていくのが人事センターの大きなミッションであると認識しています。
「組織課題とモチベーションクラウド導入の背景」
杣友氏:パナソニックはモノづくりの会社ですが、弊社はモノづくりの機能を有しておらず、バックオフィス系の専門職の集まりです。パナソニックの創業者である松下幸之助の「事業は人なり」という言葉のとおり、まさに人が経営の資産となっている会社です。
事業環境が目まぐるしく変化するなかで、「お客様に対するお役立ち」ということを強く意識すると、我々自身がグループ各社から見て「頼りになるプロフェッショナル」でなければいけません。そのためには従業員が高いエンゲージメントで働いている必要があり、従業員の状態を把握するために、以前から従業員意識調査(EOS)で定点観測をしてきました。
中嶋氏:ただ、EOSはグループ国内外全体の状態を測る非常に大規模な調査となるため、頻繁な実施や迅速なフィードバックは難しく、現場目線での職場改善に活かしづらい、といった点に課題を感じていました。
そのため、職場の状態が健全かどうかを感度高くウォッチして、そこから得た気付きを日々のマネジメントに活かせるよう、組織責任者、特に現場に向き合うミドルマネジメント層を支援する目的でモチベーションクラウドを導入させていただきました。
杣友氏:創業者の「人を活かす経営」という理念は、グループ各社に遺伝子レベルで根付いており、弊社もそれを基軸に経営をしています。時代の変化に応じて様々なことを変えていく必要がありますが、経営理念だけは不変のものとして徹底されています。
「人を資産にして会社を強くしていこう」と考えたとき、弊社の一つの課題が、ピープルマネジメントの強化でした。マネジメント層の多くが、いわゆる「プレイングマネジャー」になっており、ピープルマネジメントに注力できていたとは言えない状態でした。プレイングマネジャー自体は否定するものではありませんが、これから、最短最速で人材が育つ会社にしていくためには、ピープルマネジメントの強化が必須であり、そのためにマネジャーを支援する仕組みを整えていきたいと思っていました。モチベーションクラウドも、その一つとして検討させていただきました。
平砂氏:ピープルマネジメントの必要性について補足すると、多様化する従業員への対応という点もあります。弊社に限らず、いわゆる「日本型」の企業は比較的、ピープルマネジメントの概念が希薄で、長く同じ会社にいるなかで様々なことを「あうんの呼吸」で身に付けてきたと思います。そこには、「事細かにコミュニケーションを取らなくても分かるだろう」という、極めてハイコンテクストな文化がありました。
しかし、世の中が変わり、従業員の属性も価値観も多様化するなかで、今までどおりマス管理型で、「何となく分かるだろう」というマネジメントをしていたら、個々の従業員に力を発揮してもらうことはできません。一人ひとりの従業員と密なコミュニケーションを図り、モチベーションを引き出していくピープルマネジメントが必要な時代になっています。
弊社でマネジャーになる人を見ても、「プレーヤーの延長線上でやれるだろう」「これまでの上司のやり方を真似しよう」という感覚をもつ人も多かったと思います。ですから、まずマネジャーのマインドセットから変えなければいけません。このような課題意識もあり、マネジメントを支援する仕組みの一つとして今回、モチベーションクラウドを導入させていただきました。
「モチベーションクラウドを選んだ理由」
中嶋氏:前提として、リンクアンドモチベーションは、日本においてエンゲージメントサーベイを提供している代表的な企業であるという事実があります。他社との比較においては、「期待度」と「満足度」の2軸で測定して、組織の強み・弱みを分析できるのがモチベーションクラウドならではの特徴だと思っており (※) 、そこも魅力に感じた部分です。
※ ご参考:モチベーションクラウド「サービス内容」
さらに、サーベイを実施して結果をフィードバックするだけでなく、その先の改善提案までいただけるのも心強く、スムーズに組織改善につなげていけそうだという期待を持つことができました。個人の状態ではなく、組織の状態を測定できるというのも弊社のニーズにマッチしていると思っています。
また、既にモチベーションクラウドを導入しているグループ各社へのヒアリングにおいても、具体的な改善事例含め概ね高評価との回答を得ており、最終的な導入判断に至りました。
「モチベーションクラウドの価値」
中嶋氏:モチベーションクラウドは2名以上の組織であればサーベイが可能で、サーベイ期間終了翌日にはフィードバックにより組織の強み・弱みが可視化されるとともに、膨大なデータベースや事例を基にした改善提案をいただけます。現場のマネジメントに負荷をかけることなく、組織改善の糸口をつかむことができるのはモチベーションクラウドの大きな価値ではないでしょうか。
浅沼氏:ツールとしての有用性はもちろんのこと、サポート体制がしっかりしているのもモチベーションクラウドの良いところだと思います。実際に、商談の段階から「社内で説明が必要なので、こういう情報が欲しいのですが」と言えばすぐに提供していただけましたし、契約後も、きめ細やかにフォローしていただいています。
サーベイの実施に向けて準備を進める際、我々も初めてなので分からないことが多々あります。モチベーションクラウドはパートごとに専門の担当者の方がいて、「いつまでに何を進めてください」など常に先回りしてリードしていただけるので、担当者としては本当に助かっています。
「今後に向けて」
平砂氏:私は、モチベーションクラウドは組織の「体温計」だと捉えています。人間も、「体調は良いけど、体温を測ってみたら微熱があった」ということがありますし、逆に「体調が悪いから熱がありそうだと思ったけど、測ってみたら平熱だった」ということもあるでしょう。組織もこれと同じで、マネジャーの感覚だけでは組織状態を正しく把握できないこともあるはずです。
マネジャーは、日々のリアルなマネジメントを通して組織の体調変化を感じ取る必要がありますが、それと同時に、別の視点からのチェック機能として体温測定をするのも大切なことです。体温計に表示された体温と自分の感覚に差があれば、「もしかして風邪を引きかけているのかな」「どこか悪いところがあるかもしれない」といった気付きが得られます。このような気付きから、それぞれのマネジメントを向上させていってもらえればなと思います。
中嶋氏:今回、マネジメントの支援・強化の一環としてモチベーションクラウドを導入させていただきましたが、「サーベイをやっただけ」にしてはいけないと思っています。
EOSも決して少なくない時間を割いて実施している中、モチベーションクラウドが加わると「また似たようなことをやるのか」「忙しいのにまた時間を取られるのか」といったネガティブな反応は当然出てくると思います。
意味があると感じてもらうためには、職場の改善を実感してもらえなければいけません。そのためには、できるだけ組織責任者に負荷をかけずにサーベイ結果を組織の改善へとつなげるサイクルを確立するための継続的な取り組みが重要と思っています。
浅沼氏:昨今は、リアルとリモートのハイブリッドな働き方が一般的になっており、以前に比べると職場でのコミュニケーションの総量が減っています。加えて、従業員の価値観の違いも大きくなっています。このような時代だからこそ、従業員がサーベイを通じて自分の声を伝えることは重要ですし、その一つ一つの声が組織の状態として可視化され、マネジャーに届くことも重要です。
モチベーションクラウドのようなツールは今後、企業にとって必須のツールになってくるはずなので、弊社でもフル活用して良い組織をつくっていきたいと思います。