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全員で同じ方向を向いて組織改善と風土改革に取り組めるように

ROHM Semiconductor (Thailand) Co.,Ltd.

Director 井ノ上 靖浩
Manager Suntree Supho
事業内容 ローム株式会社のタイ販売子会社として、LSIをはじめ、ディスクリート半導体、光半導体、モジュール製品などの半導体製品を中心とした電子部品を提供している。
業種 機械-エレクトロニクス

企業規模

51~100名
導入規模 51~100名

期待

  • エンゲージメントサーベイを使って、特定の個人だけではなく組織全体として課題解決をする仕組みを整えたい 

  • 日本人にもタイ人にもわかりやすくて、精度の高いデータ取得をしたい

効果

  • マネジャー全員が同じベクトルで、エンゲージメント向上のためにアイデアを出し合い、組織として一丸となって改善活動に取り組めるようになった
  • エンゲージメントを意識するようになったことで、短期的に特定の問題を解決するだけではなく、中長期的に企業風土そのものを改善しようという意識が芽生えてきた

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半導体・電子部品メーカー「ROHM」のタイにおける販売拠点

「事業の概要」

井ノ上氏: 
ROHM Semiconductor (Thailand) Co.,Ltd.は、LSIをはじめ、トランジスタ、ダイオード、LED、抵抗器など様々なデバイスを製造する半導体・電子部品メーカーである「ローム株式会社」の販売会社の一つです。タイ国内と周辺国に対して製品を提供しており、ASEAN地域における主要な販売拠点として重要な役割を担っています。そのなかで、私は管理部門全体を統括するポジションとして、マネジメント業務に従事しています。 

個人のみで課題解決するではなく、組織全体で課題解決をしたかった

「モチベーションクラウド導入前の組織課題」

井ノ上氏: 
以前から、上司・部下間の関係がうまくいかず、人事に相談が寄せられることが少なくありませんでした。そのため、「組織に何かしらの問題があるはすだ」と、様々な取り組みを模索していました。 

その一つが、マネジャーコミュニケーションサーベイです。これは、部下がマネジャーを評価するサーベイで、自社独自のものです。このサーベイで問題が明らかになったら、対象のマネジャーに「こういう問題が起きていますので、対応を変えたほうが良いのではないですか」といったフィードバックをしていました。加えて、人事と全従業員との1on1もおこなっていました。 

ただ、マネジャーコミュニティサーベイにしても1on1にしても、情報がクローズされており、フィードバックするのはマネジャー本人へのみでした。一人だけではなかなか課題解決ができない状態は問題だったと思います。組織全体として課題解決への取り組みを進めるために、エンゲージメントサーベイを導入したいと考えていました。 

サーベイの設問やツールは、日本人にもタイ人にも分かりやすい

「モチベーションクラウド導入のきっかけ」

イン氏: 
私たちがエンゲージメントサーベイを探していたところ、モチベーションクラウドに出会いました。印象的だったのは、サーベイ結果のレポートが私たちにとって非常に分かりやすくまとめられていたことです。サーベイの設問は、グローバルスタンダードで、組織のあらゆる側面をカバーしており、分かりやすいツールだなと感じました。 

井ノ上氏:
ローム本社でも別のサーベイを導入しているのですが、外資系ベンダーのサーベイのため、日本語訳やタイ語訳が分かりにくく、解釈が曖昧になってしまう部分が多くありました。その点、モチベーションクラウドはタイ人の従業員にとっても分かりやすいものにすることができました。このような点に魅力を感じ、導入させていただく運びとなりました。 

上司と部下のコミュニケーションの質をきちんと測定できる

「最初のサーベイを実施してみて」

イン氏: 
モチベーションクラウドは、上司と部下のコミュニケーションの質をきちんと測定できるサーベイだと感じました。 

最初のサーベイの結果はエンゲージメントレーティング「AAA」と、予想を大きく上回るものでした。また、透明性は当社の信頼構築に大いに役立つと信じています。さらに、従業員が自分たちのフィードバックが反映されていると認識すれば、今後のサーベイでより思いやりのある率直なフィードバックをするようになると感じています。 

導入前から、日本人上司とタイ人との間で良質なコミュニケーションが不足しているため、お互いを良く理解できていないのではないかと考えていましたが、案の定、サーベイの結果でも、コミュニケーション関連の項目は低いスコアが出ました。 

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日本人駐在員と現地タイ人が一緒に議論し、アクションプランを策定できた

「組織改善のための取り組み」

井ノ上氏: 
今回は外部のサーベイを導入するということで、従業員には「できるだけ正直に答えてほしい」と事前に丁寧にお願いしました。 

私たちの目的は、組織の課題を把握し、みんなが働きやすい環境をつくることであり、モチベーションクラウドは、そのための情報収集ツールでもあります。ですから、「本音で答えてほしい」ということを社内にアナウンスしました。 

イン氏:
私たちが懸念していたのは、設問の解釈です。人事部の解釈と従業員の解釈が異なっていると、従業員から正しい回答を得られず、サーベイの結果は信頼性の低いものになってしまいます。従業員が私たちと同じ意味で解釈していれば、サーベイの結果はより正確なものになります。ですから、サーベイ実施前に従業員に各設問の意図や意味を説明する機会を設けました。 

イン氏:
サーベイ実施後は、マネジャーを対象としたワークショップを実施し、サーベイの結果共有や、改善のためのアプションプラン策定をしました。このとき、ネガティブな人は一人もおらず、ポジティブに「改善していこう」というマネジャーがほとんどでした。全体的にスコアは高かったのですが、みんなが「もっと良くしよう」という姿勢を見せてくれたのは嬉しかったですね。また、日本人駐在員も一緒になって課題について議論し、一緒にアクションプランを策定できたことは非常に良かったと思っています。 

井ノ上氏: 
現在は、組織改善のためのアクションプランを実行し、その結果をフォーカスサーベイで確認するという    サイクルをまわしています。このサイクルの中で、グループセッションの時間を設けています。これは、各マネジャーがそれぞれの課題や目標を持ち寄り、アクションプランの進捗を共有し、お互いに「もっとこうしたほうが良いのでは?」といったアドバイスをし合うセッションで、月に1回、30分~1時間程度でおこなっています。 

今後も、フォーカスサーベイを活用しながら、改善の進捗を確かめ、必要に応じてアクションプランを修正するというサイクルを回していきたいと思っています。 

組織全体で一丸となって改善活動に取り組めるようになった

「モチベーションクラウドの価値」

井ノ上氏: 

先ほどお話ししたとおり、以前は情報がクローズされており、課題解決が個々の従業員に委ねられていました。しかし、モチベーションクラウドの導入によって、みんなが同じベクトルを持ち、エンゲージメント向上のためにアイデアを出し合い、組織として一丸となって改善活動に取り組めるようになりました。 

イン氏: 

モチベーションクラウドを導入する前は、従業員満足度のみに焦点を当てていましたが、モチベーションクラウドの導入によって、エンゲージメントこそが重要な指標であることが分かりました。より良い組織をつくるためには、短期的に不満を解消するのではなく、中長期的にエンゲージメントを改善し続ける「連鎖」を生み出すことが重要です。 

従業員満足度だけを追っていたときは、特定の短期的な問題を解決することだけにフォーカスしていたように思います。ですが、エンゲージメントを追うようになってからは、長期的に企業風土そのものを改善しようという動きに変わってきました。 

井ノ上氏: 

御社のコンサルタントの方々はみなさん、弊社のことを真剣に考えてくれています。「この会社のために」という愛情のようなものを感じるんです。これは、他ベンダーにはない魅力だと思います。 

また、他ベンダーは基本的にサーベイを実施したら終わりで、「あとは自分たちで何とかしてね」という姿勢で、私たちもなかなか本音を言えず、表面的な会話に終始してしまうことがあります。その点、御社はトータルサービスで、サーベイ後の共有セッションやフォーカスサーベイまで支援していただけるのが素晴らしいところです。サーベイ後の組織改善こそが重要なわけで、そこまでしっかりサポートできる体制を整えている御社のサービスには大きな価値を感じています。 

イン氏: 
安心してモチベーションクラウドを導入できたのは、アフターサービスのおかげです。サーベイ導入の最初のステップから、アドバイスや提案、ツールの使い方や機能の説明まで、非常に丁寧にサポートしていただきました。 

今後は次世代リーダーを育てていきたい

「モチベーションクラウドで実現したいこと」

井ノ上氏: 
リモートワークや在宅勤務など、働き方が大きく変わりました。弊社でも、50%在宅勤務を継続しているほか、リモートワークが確立したことで、駐在員の人数を減らす動きが出てきています。駐在員が不要になるわけではありませんが、今後は役割が変わっていくはずです。 

私たちとしても、「現地化」を推進していきたいと考えています。現地化を進めるためには、現地のナショナルスタッフの価値を高めていく必要があり、そのためには次世代リーダーの育成が不可欠です。私が次世代リーダーに求めたいスキルが、エンパシースキルです。相手の立場に立ち、相手を理解し、共感することですね。コミュニケーションにおいて重要なのはもちろん、クロスカルチャーの土台になるスキルなので、今後はエンパシースキルを持ったリーダーを育てていきたいと思っています。 

エンパシースキルを高め、クロスカルチャーを実現していくには、具体的に何をしたら良いだろうかという視点でサーベイ結果を分析し、様々なチャレンジをしていきたいと思います。 

日本人駐在員とタイの従業員との間には、どうしても壁ができます。その壁は徐々に低くなっていくのですが、新しい駐在員が来ると、また元に戻ってしまいがちです。壁を取り払うためには、やはり「エンパシー」や「クロスカルチャー」が重要であり、こうしたスキル、マインドを持つ日本人を育てることも私の役割だと思っています。タイ人の育成だけでなく、タイ人が働きやすい環境をつくれるよう、日本人駐在員の育成にも努めていきたいですね。 

日本人中心ではなく、タイ人主体で運営できる組織へ

「今後に向けて」

井ノ上氏: 
ロームグループ全体の方針として、エンゲージメントの向上がありますが、それはあくまで手段です。エンゲージメントの向上によって何を実現するかが重要であり、私たちにとっては組織風土の改革が目指すべきゴールのひとつです。具体的には、「日本人中心ではなく、タイ人で積極的に運営できる組織」をつくることです。 

また、「RST Way」をしっかりと実践していきたいと思います。「RST Way」はタイの従業員が自ら策定した行動指針です。誰かがつくったWayに従うのではなく、自分たちでつくったWayですから、やるしかありません。「RST Way」に限らず、どんなことでも自分たちで考えて、自分たちで行動して、自分たちで責任を持つという風土を醸成できたら嬉しいですね。誰かに言われたからではなく、自分たちで決めたことだから自分たちがやる。これこそが、本当の意味での「現地化」を進めるための重要なポイントではないでしょうか。 

※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞や場所等は取材当時のものです。

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