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株式会社再春館製薬所 ありたい姿推進本部 社員満足室 POP

パートタイマー社員の遠慮がなくなり、積極的な意見や提案が出てくる組織に

株式会社再春館製薬所 ありたい姿推進本部 社員満足室 POP

トレーナー 山内 真由美 氏

事業内容

部署の業務内容

化粧品、医薬部外品、医薬品の製造・販売

弊社企業理念「ありたい姿」実現のための社内掲示物の制作、情報発信

業種 小売

企業規模

1001名~2000名

部署規模

~10名

課題

  • 取り組んだ組織課題は、情報収集(上司の情報収集に課題)

効果

  • パートタイマー従業員も積極的に意見や提案を言えるようになった

  • チーム内での情報共有が盛んになった

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株式会社再春館製薬所で社内の掲示物を制作する「POP隊」のメンバーは、全員がパートタイマーの女性従業員です。POP隊の管理を任されていた山内氏は、メンバーのスキルを信頼し、仕事のクオリティに満足していましたが、その一方でメンバーが不満や要望を言いやすい環境を作れていなかったことに気付き、組織の改善に着手。朝礼や個別のヒアリングを通して不満や要望を拾い上げ、できることから一つずつ改善を進めていきました。以前はパートタイマーであるがゆえの遠慮があったメンバーでしたが、「何でも言いやすい雰囲気」が生まれたことで徐々に発言や行動に変化が見られるようになりました。

不満や要望を言いやすい環境を作れていなかった

「抱えていた課題」

山内氏:弊社には、社内の掲示物やお客様とのよりよい関係づくりのため社員の想いをカタチにする「POP隊」というチームがあり、私はそのチームの組織長を任されています。

POP隊は5名のパートタイマーで構成されているのですが、みんな制作のスキルが高いだけでなく、お客様に対する思いをカタチにするというところで全員が同じ気持ちを持って仕事に取り組んでおり、非常に優秀なメンバーが揃ったチームです。2年目になったばかりのメンバーがいる一方で20年以上働いているメンバーもいて、社歴の差が大きい組織ではありますが、先輩・後輩が認め合う雰囲気があってメンバー同士は良い関係性を築けています。

POP隊のメンバーは自分たちで考えて仕事をしてくれるので、信頼していた事もあり、以前の私は通常業務に関しては基本的に「お任せ」のスタンスでいました。もちろん、管理者として要所要所で話をすることはありましたが、自部署の朝会にも参加しており、あえて毎日メンバーのために時間を作るようなことはしていませんでした。

そんなときにモチベーションクラウドのサーベイをおこなったのですが、結果としては上司満足度のスコアが低く、上下の階層間で意思疎通が図れていないことがデータから分かりました。それを見て、彼女たちが日常的に不満や要望を言いやすい環境を作れていなかったことに気付きました。自分から働きかけてこなかったので仕方がないと思いながらも、やはり上司満足度が低かったことは受け止め反省しました。

私がPOP隊の管理をするにあたって、ちょっとした悩みになっていたのが、自分自身がPOPのスキルを持っていないことでした。上手に絵を書いたり字を書いたりするスキルがないので、メンバーの仕事を見ても「すごいな」としか思えませんでした。メンバーの仕事に対して技術的なアドバイスをするのが難しかったこともあり、あまり関わりを持てていなかった部分もあったと思います。

メンバーのモヤモヤを吸い上げ、できるところから改善した

「改善のためのアクション」

山内氏:サーベイの結果、組織の弱点として出てきた部分を改善すべきだと考え、まずはそこから着手しました。具体的には、上司・部下の意思疎通を図ることです。以前は、メンバーがどんなことに不満を感じていて、職場にどんなことを求めているのかを全然把握できていませんでした。彼女たちの不満や要望を把握するためには、上司に言いやすい環境を作る必要があります。また私自身も、もっとメンバーのことを知ろうとする行動が必要なのではないかと考えました。

そこで、具体的なアクションとして始めたのが部署の朝礼とは別に行うPOPチームの朝礼です。まずはメンバーの日頃の業務状況を把握するようにしようと、毎日全員が揃う朝10時に朝礼をおこなうことにしました。加えて、メンバーが日頃感じていることなどを個別にヒアリングする時間も設けました。

メンバーからはIT環境に関する不満が多く聞かれたので、インターネット回線を改善したり、パソコンの台数を増やしたりしてストレスなく働ける環境を整えていきました。また、POP隊は社内から依頼を受けて仕事をするのですが、依頼者とのやりとりがうまくいっていないという不満も挙がっていたので、フォーマットである依頼書の改定をおこないました。このように、メンバーが日頃モヤモヤしていたことを吸い上げて、改善できるところから一つずつ手を付けていきました。

もちろんすべての意見を聞き入れられるわけではなく、当然変えられない部分もあります。変えられない部分に関しては、きちんと変えられない理由もフィードバックするようにしました。

朝礼での発言が変わっていったのが嬉しかった

「改善していく中で感じたこと」

山内氏:毎朝の朝礼をスタートしたものの、正直なところ、最初はまったく歓迎されていませんでした。「朝礼って本当に必要なんですか?」と言うメンバーもいましたし、「面倒くさいな」という空気も感じました。私が入ることでピリッとするようなところもあり、明らかにマイナスからのスタートだったと思います。

先ほどお話ししたように、私はPOP業務に関して技術的なアドバイスをすることはできません。ですが、だからと言ってノータッチではいけないと思い、朝礼では気になったことを少しづつ確認するようにしました。メンバーからの共有事項を受けて、「それってどういうことなの?」「そもそも、その依頼って何で来ているの?」といった具合に聞いていました。

こうして私が気になることを拾って確認することで、メンバーたちにも「そういうことも聞いていいんだ」「そういう視点もあるんだ」といった気付きがあったようで、最初は聞いているだけだったメンバーたちの姿勢や発言に徐々に変化が見られるようになりました。具体的には、一部のメンバーがいない時間に起こったことを共有したり、ミスや漏れがないように注意喚起をしたり、「次はこういう依頼が来そうだから、こういう準備をしましょう」といった呼びかけをしたり、そんな発言が増えていったように思います。また、朝礼が終わった後に、個人的に気になることを言いにくるメンバーもいました。こういった変化が見られたのが、とても嬉しかったです。

私自身、改善への取り組みを進めるなかで意識していたのは、それをする目的です。朝礼一つとっても「何のためにやっているのか」を意識していないと、いつの間にか形骸化したり、結局やらなくなってしまったりすると思います。私の目的は「みんなが働きやすい環境を作ること」だと認識していましたので、いつも意識しながら取り組んでいました。

パートタイマーであるがゆえの遠慮がなくなり、言いやすい雰囲気が生まれた

「組織の変化ともたらされた成果」

山内氏:朝礼を始めたばかりの頃は、当日の業務内容を言って終わりみたいな形でしたが、それだけでも意味があったと思っています。

朝礼をすることで、それぞれのメンバーの手元にある仕事がお互いに見えるようになったので、「私、それできますよ」というようにメンバー間での声かけがしやすくなりました。また、以前は連絡事項があればノートに書いて、それを各自が確認するだけでしたが、朝礼で口頭で発信することによって相手の反応を見ることができます。それによって、メンバー同士の理解も深まったと思います。もともと一体感のあるチームでしたが、より一体感が高まったように感じます。

POP隊のメンバーは勤務時間がバラバラなこともあり、以前は全員が集まって情報共有するような機会はありませんでした。もちろん情報共有はおこなわれていましたが、メンバー全員ではなく、その場にいる人だけで完結してしまうことも多かったと思います。全員が認識しておくべき事項があっても、伝えるタイミングがなかったので、「まあいいか」で済ませてしまったこともあったようです。

ですが、朝礼が始まってからは「朝礼のときに伝えよう」と考えるようになり、今では、みんなに伝えるべき内容をまとめたうえで朝礼に参加しているようにも見受けられます。こういった変化はメンバー自身もプラスに捉えているようで、あるメンバーからは、「私が入社したときから、こんなふうにできていたら良かったですね」というようなことも言われました。

組織改善の取り組みをしていて分かったのが、以前のメンバーはパートタイマーであるがゆえに、「自分たちが言っていいのかな」という遠慮があったということです。ですが、一連の取り組みを通して「自分たちも言っていいんだ」と思える風土に変わってきました。実際に、いろんな意見や提案が出てくるようになりましたし、このあたりの気持ちの変化は大きかったんだろうなと思います。

サーベイの数値も、この1年でおおむね改善されました。項目によってはまだまだな数値もありますが、分かりやすい形で結果に出ているので取り組みを続けてきて良かったなと思っています。

次は、自分たちで動いて改善できる組織へ

「今後の展望」

山内氏:先ほどお話ししたように、POP隊のなかに「自分たちも言っていいんだ」という雰囲気が生まれてきました。今後は「言っていいんだ」の先にある「行動」が生まれてくると良いなと思っています。言うだけで終わりではなく、自分たちで動いて改善するところまで意識を高めていきたいです。

実際に今、自分たちで改善する意識を高めていこうと、みんなで話し合ってアクションプランを設定しているところです。社内でトヨタのマネジメントシステムの共有があったこともあり、今後、POP隊のメンバーがやりたいこととして整理整頓、5S活動が挙がっています。

日々の業務に追われ、メンバーの手元や職場全体で整理整頓ができているとは言えないのが現状です。そこで整理整頓というわけですが、メンバーからは「単純に片付けてきれいにするだけでなく、作業効率や生産性を上げていくことで、いろんなことに目を向けれるようになりたい」という意見が出ています。私も、単なる整理整頓で終わらない彼女たちのチャレンジを支援していきたいと思っています。

※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞や場所等は取材当時のものです。

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