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心を開いたコミュニケーションによって個々が殻を破り、過去最高売上を記録

株式会社丸菱電子 刈羽工場

統括工場長 水落 正樹 氏

事業内容

金属熱処理技術(金属を加熱・冷却することで硬さ等の性質を変化させる)を利用した、自動車、工作機、航空機等部品の加工・生産。

部署の業務内容

事業の中枢を担う生産拠点。あらゆる熱処理技術と設備を保有し、多品種にわたるアイテムを生産、管理している。

業種

機械・エレクトロニクス

企業規模

31名~50名

部署規模

11~30名

取り組んだ組織課題

組織風土

約1年間でのエンゲージメント

スコアの変遷

58.0 ⇨ 71.2

抱えていた
課題

  • スタッフ同士がお互いを認め合う風土がなく、情報共有や連携が不足していた。

  • 上下間に信頼関係がなく、意思疎通ができていなかったため、スタッフの状況や考えていることを十分に把握できていなかった。

改善のための
アクション

  • オープンなスタンスでスタッフに向き合い、抱えている悩みや不満を吐き出してもらった。

  • スタッフの視野を広げるとともに相互理解を図るため、ジョブローテーションをおこなった。

得られた
成果

  • スタッフ間の情報共有・連携が促進されたことで、設備の故障・トラブル件数が前年比で約5分の1になった。

  • 生産性が向上したことで売上が昨対比で約130%伸長し、過去最高を記録した。

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自分の仕事以外には我関せずの「個に閉じた組織」

「抱えていた課題」

水落氏:モチベーションクラウドを導入した当時はエンゲージメントスコアが37~38と、組織状態は非常に悪い水準にありました。

僕は、長岡の本社工場から刈羽工場に来たのですが、スタッフの最初の印象は「元気がない」ということでした。元気がないというのは、会話やコミュニケーションが少ないという部分もありますが、課題をクリアしたり達成したりしたときに喜びの感情が見られなかったという点もあります。リアクションが薄いと言うか、みんなが気持ちを分かち合えないような状態だったと思います。

スタッフは殻に閉じこもっている感じで、他人の仕事には「我関せず」というスタンスでした。一人ひとりが、自分に任された仕事だけを黙々とやっていました。スタッフ同士がお互いを認め合う風土がなく、横の連携や情報共有は明らかに不足していましたね。

もちろん、各スタッフには悩みや不満があったと思います。しかし、上下間に信頼関係がなく、「言ってもしょうがない」「相談しても無駄」といった諦めが伝わってきました。意思疎通ができておらず、スタッフの状況や考えていることを十分に把握できていなかったのは大きな課題だったと思います。

僕自身は刈羽工場のリーダーを任されたわけですが、その時期は上の人が辞めてしまったりして、結構つらい時期ではありました。ですが、一人ひとりのスタッフに目を向けてみると、みんなすごく真面目で誠実に仕事に取り組み、最後までやり切る力を持っています。ですから、組織の課題を解決できれば大幅に生産性が上がったり、一気に推進力が高まったりするのではないかという期待感を持てましたし、「これはリーダーの采配次第だ」と身が引き締まる思いもありました。

心を開いたコミュニケーションが組織改善のスタートだった

「改善のためのアクション」

水落氏:僕は本社工場にいた頃、「これやって」「なんでできないの」「ダメでしょ」といった感じで、結構ビシバシとマネジメントをしていました。刈羽工場には僕みたいなタイプがいなかったこともあり、会社からも、そういうやり方を期待されているのは感じていました。

ですが、刈羽工場ではビシバシやってもうまくいかないと思っていました。自分の殻に閉じこもっていて元気のないスタッフに対して、上から覆い被さるようなマネジメントをしても何も生まれないはずです。それよりは、きちんとスタッフの話を聞くことや、素直に自分の思いを伝えることが大事だと考えました。ですから、何でも話してもらえるようにオープンなスタンスでスタッフと向き合うことにしたんです。

まず、「みんなと一緒に楽しく仕事をしたい」という自分の思いを伝えました。そして、「悩みでも要望でも不満でも何でもいいから、今抱えているものを全部吐き出してほしい」と伝えました。口で言ってくれてもいいし、書いてくれてもいいし、僕からもどんどん聞きにいくし、とにかく全部テーブルの上にあげてほしいと言いました。心を開いたコミュニケーションが、組織改善のスタートだったかなと思います。

また、定期的にモチベーションクラウドのフォーカスサーベイ (組織ごとに設定した改善項目に絞り、月次や週次の短サイクルで実施するサーベイ) を実施し、「期待」が高く「満足」が低い項目をピックアップしました。そのうえでスタッフに「その項目についてどのように感じているか?」ということを個別にヒアリングし、課題を深掘りしていきました

それまではリーダー主体で課題を分析し、アクションプランを策定していましたが、必ずしも改善に至っていませんでした。真の課題を見つけ、的確な改善活動をおこなうためには、サーベイに回答したスタッフ自身に振り返ってもらうべきだと考え、スタッフの声を聞くことにしたんです。

もう一つ、スタッフの視野を広げたいと考え、ジョブローテーションも実施しています。日々の業務の繰り返しから脱却して他のスタッフの業務に触れることで、お互いの理解を深めるとともに、組織内のコミュニケーションを活性化させたいという狙いもありました。

あるスタッフが言った「みんなちゃんとやろうぜ」が嬉しかった

「組織の変化ともたらされた成果」

水落氏:最初に、スタッフに抱えているものを全部吐き出してもらいましたが、それ以降、「これで困っています」「あれを何とかしたいんです」「これはどうしたらいいですか?」といった声がどんどんあがってくるようになりました。

困ったこと、依頼したいこと、協力してほしいことなど、あがってくる内容は様々です。これらの意見はすべて受け入れ、度合いに合わせて線引きをして、対処法などのレスを返していました。また、「これは誰々に聞いてみて」というように、できるだけ周囲を巻き込むように心がけていました。こうした取り組みの結果、自分の意見や思いを抱え込むことなく口にできる雰囲気を醸成できたのかなと思っています。

組織内のコミュニケーションが促されたことで、みんなが自分の殻を破り、周囲に働きかけるような言動も生まれるようになりました。一つ、印象的なエピソードがあります。

あるスタッフが、企業理念に則った行動を促すために「みんなに大切にしてほしいこと」というような紙を掲示しました。すると、その掲示を見た別のスタッフが、ミーティングの場で「これは会社の理念に基づいて○○さんが作ってくれて、こうやって貼ってくれているんだから、みんなちゃんとやろうぜ」と言ったんです。その発言が、僕はめちゃくちゃ嬉しかったですね。

もちろん、掲示してくれたことも嬉しいのですが、掲示した本人じゃないスタッフが言及してくれたのが嬉しかったんです。しかも、単に「できていないからやろう」という言い方ではなくて、「理念に基づいているんだから」とか、「書いてくれた人がいるんだから」とか、背景も含めてメッセージを発してくれたのが嬉しいなと思いました。

ミーティングのときはいつも僕が最後に総括するのですが、そのときは、そのスタッフが全部言ってくれたので、もう言うことはありませんでした。むしろ、僕が言うよりはるかに説得力がありましたね。

ジョブローテーションの取り組みも効果的でした。他のスタッフの視界や環境を経験できたことで、お互いを認め合う良いきっかけになりました。そこから信頼関係や連帯感が生まれ、ただの「個の集まり」から「チーム」になることができました。そして、それが生産性向上にもつながったと思っています。

売上は昨対比で130%ほど伸長し、過去最高を記録することができました。スタッフ間の信頼関係や連携強化がなければ成し得なかった結果だと思います。加えて、設備の故障が減ったのも大きかったですね。

刈羽工場は弊社のメインの生産拠点であり、数多くの設備・機械があります。これらの設備の稼働状況によって生産性が左右され、特に故障・トラブルが生じると生産性は大きく低下します。その故障・トラブルの件数が前年の5分の1くらいになったんです。

以前は、故障しそうな状態でも相談がなく、急に「壊れました」「動きません」という事後報告があがってくるだけでした。しかし、コミュニケーションや情報共有が促されたことで常に設備の状態を把握できるようになり、ちょっとした異変でもすぐに共有され、前もって手を打てるようになりました。そのおかげで故障が激減し、常時安定稼働を実現できました。設備の故障をなくすためにコミュニケーションを活性化させたわけではありませんが、結果的に故障が減ったのは、刈羽工場にとって大きな成果だったと思います。

強みを伸ばして成長し続けることで、組織の持続可能性を高めたい

「今後の展望」

水落氏:これからの時代、成長し続けないと企業として生き残っていくことはできません。そのためには、自分たちの強みを理解し、その強みを極めていくことが重要です。強みを伸ばし、成長し続けることで「持続可能性のある組織」を目指していきたいと思います。

エンゲージメントスコアも、さらに上を目指していきたいですね。弊社の社長が「人的資本経営をしていくんだ」と宣言していますので、僕は組織強化の責任者として、社長の熱い思いに応えたいと思っています。個人としても、「みんなと一緒に楽しく仕事をしたい」という気持ちが原動力になっています。組織強化をしなくても日々の仕事は進んでいくかもしれませんが、みんなで楽しく働けなかったら意味がありません。今後も、今まで以上に組織強化に力を尽くしていきたいと思います。

※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞や場所等は取材当時のものです。

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