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戸田ビルパートナーズ株式会社

組織改革に終わりはない
組織活性化に欠かせないのは
「変え続けること」

戸田ビルパートナーズ株式会社

代表取締役 社長 斎藤 好彦 氏
経営管理部門担当 兼 保険事業部担当 取締役 執行役員 西脇 隆二 氏
事業内容

総合ビル管理業・建設業・不動産業・保険代理店業

業種 建設・不動産

企業規模

101名~300名
導入規模 101名~300名

期待

  • 部署内でのギャップと部署間でのギャップを解消するために、有効な手立てを講じたい

  • 組織課題解決のための次の一手を見出したい

効果

  • 薄々感じていた組織課題を、数値の根拠とともに明確に認識できた

  • 本社の部署・部門や支店のマネジメントが機能していない原因に気付くことができた

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建物に新しい価値を生み出し、ライフサイクルを見守る

「事業内容」

斎藤氏:戸田ビルパートナーズは戸田建設のグループ会社として、ビル管理事業と建築事業を中心に、保険事業、不動産事業と4つの事業を営んでいます。札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、九州と全国に6支店を展開し、建物のライフサイクルを様々な側面からサポートしています。

受動的な組織や人の考え方を変えていかなければならない

「モチベーションクラウド導入前の課題」

斎藤氏:私が社長に就任して今期が5年目になります。就任した年に従業員満足度調査をおこなったのですが、「親会社から落下傘で下りてきて何ができるの?」というような社員の意見も聞かれました。ですが、そう言われても仕方がありませんでした。

というのも、私はもともと戸田建設の工事部から支店長になり、戸田ビルパートナーズに来たわけですが、この会社の本業はビル管理なので戸田建設とはまったく畑が違います。「何も分からない人間に何ができるんだ」と言われるのも当然のことだったと思います。

ですから、1年目はビル管理の勉強と、会社全体の問題点を把握することに力を注ぎました。

そのときに大きな課題だと感じたのが、「言われたことをやっていればいい」という仕事に対するスタンスでした。これは組織や人の考え方から変えていかなければいけないと思い、組織改革に着手したんです。

組織改革、次の一手はエンゲージメント

「モチベーションクラウド導入の背景」

斎藤氏:社長に就任して2年目に、まずは人の教育からだと階層別の研修を導入し、その後も様々なことを試しながら組織改革を進めてきました。

その甲斐もあり、少しずつ私が掲げる目標と同じ方向にベクトルが向いてきたのですが、一方で組織間のギャップが見られるようになりました。そんな時期に、リンクアンドモチベーションさんに相談させていただきました。

西脇氏:元々実施していた他社の従業員満足度調査でも様々な意見が上がってきたのですが、そのとき、社長から「この先、何をやればいいんだ?」と問われました。

私自身、戸田建設時代から長年人事に携わってきて、組織変革の書籍なども読んでいましたし、リンクアンドモチベーションさんのメルマガも読んでいましたので、次の一手は「エンゲージメントだと考えていました。

ですから、社長に「やるのであれば、これです」とモチベーションクラウドの話をしたんです。

サーベイが組織課題をズバリ言い当ててきた

「モチベーションクラウドの価値」

西脇氏:実は社長は、最初は「エンゲージメントで何が変わるんだ?」と懐疑的でした。

斎藤氏:たしかに、最初は「こんなアンケートで何が変わるんだ」と言ったのを覚えています。ですが、サーベイの結果を見て考え方が変わりましたね。

うちの組織課題をズバズバ言い当てられていて、「何でこんなことまで分かるんだ?」というのが正直な感想でした。

社内に内通者がいるのではないかと思うくらい、今でも不思議に思っています。逆に言うと、それだけ的確に組織課題が抽出されるのはモチベーションクラウドの大きな価値ですよね。

最新のサーベイの結果を見ても、「痛いところを突いてくるな」と感じています。我々も何となく課題は分かっているのですが、確証はありません。ですが、モチベーションクラウドは数値を根拠にして課題をズバリ突いてきます。もう、ぐうの音も出ませんよね。

もちろん、うちにとって痛いところを指摘されるわけですが、それならその部分に手を打てばいいわけで、やるべきことは明確になります。

今回は「経営と現場のコミュニケーションを繋ぐパイプ役が上手く機能していない」という結果が出たのですが、それならパイプ役である課長や主任に手を打てばいいわけです。

しかし、主任についての任命プロセスが曖昧で、対象者における意識の落とし込みも不十分で機能していないため、もともと主任に期待してた役割が担える社員を新たに抜擢して、課長と主任の間に主査という役職を新設することにしました。

サーベイでは、まったく気付いていなかったことを認識できることもあります。たとえば、支店が想定よりも機能していないことは感じていたのですが、その理由は捉えられていませんでした。

ですが、今回のサーベイで、各支店長に経営トップとしての考え方が十分に身に付いていないと指摘されたんです。これは目からウロコでしたね。

本社の役員には全員、経営側の立場としての教育を受けてもらっていたのですが、支店長は対象にしていませんでした。ここは盲点であり、サーベイをしていなかったら気付けないところだったと思います。

プロパーも中途も関係なく評価し、エンゲージメントを高める

「改善のための取り組み」

斎藤氏:私は、中長期計画のなかで「2025年に売上250億」という目標を掲げています。毎年売上を10%ずつ上乗せしていけば、2025年には250億を達成できる計算です。

しかし、これを実現するにはパイプ役である管理職人材がしっかりと目標を理解して、部下をマネジメントしていかなければいけません。

サーベイで「パイプ役が機能していない」という結果が出ているわけなので、このままでは目標達成が危うくなります。ですから、パイプ役の管理職の成長を促していくことは急務だと考えています。

また、中途社員を適切に評価し、エンゲージメントを高めたいと思っています。弊社にはプロパーの社員と中途の社員がいるのですが、私が戸田建設に入社した頃は「プロパーで入った人材は辞めない」と言われており、プロパーで採れば中途は採る必要はないという考え方がありました。

ですが、今やこのような考え方は時代錯誤です。会社に貢献できるかどうかは、プロパーだから、中途だからというのはまったく関係ありません。今は積極的に中途社員を採用しているのですが、彼らを生かすには、きちんとした評価をしなければいけません。

実際に、サーベイで高いエンゲージメントスコア(※)が出ている中途の部署長もいます。彼らは部下から「尊敬しうる上司」「信頼しうる上司」と評価されているから、高いスコアが出るわけです。

プロパーも中途も関係なく、社員をきちんと評価していかなければ、モチベーションも下がってしまうし、組織としての一体感も生まれません。的確な処遇をしていくためにも、モチベーションクラウドは一つの参考指標になると考えています。

※ エンゲージメントスコアとは、社員の会社に対する共感度合いを表す指数です。

良い「人財」から良いサービスが生まれ、顧客満足につながる

斎藤氏:私は戸田ビルパートナーズに来てから、「みんなで“いい会社”にしよう」と言っています。“いい会社”というのは様々な考え方がありますが、私はやはり良い人材がいる会社だと思っています

会社にはまず社員がいて、その家族がいます。そして、お客様がいて、株主がいて、協力会社がいるわけです。社員やその家族にとっては、給料や休みをいっぱいもらえて、プライドを持って働ける会社が“いい会社”じゃないですか。

お客様にとっては、安くて良いサービスを提供してくれる会社が“いい会社”だと思います。株主にとっては、たくさん配当してくれる会社、協力会社にとっては、いっぱい利益を生める会社が“いい会社”ですよね。

これって全部矛盾しているように見えますが、私は矛盾していないと思っています。良いサービスを提供し、それを評価していただき、適正なお金をいただければいいんです。

そのためには、やはり良い人材がいることが大前提になります。良い人材から良いサービスが生まれ、それがお客様の満足につながり、さらにそこから投資家にも配当が行きわたるわけです。

親会社の戸田建設では、人材の「材」に財産の「財」という字を使うのですが、まさにそのとおりで、会社にとって人は財産です。人に対する投資は必ず返ってくるので、欠かしてはいけません。サーベイも含め人に投資し続けて、今後も良い「人財」を育てていきたいと思っています。

変え続けていかなければ、組織は活性化しない

「今後、モチベーションクラウドで実現したいこと」

斎藤氏:私が社長に就任してから、いろんなことを試しながら組織を変えてきました。これでもか、これでもかと組織変革を進めてきました。それでも、サーベイでは「まだ足りない」という結果が出ます。

結局、組織って変え続けないとダメなんです。部課長も部下も固定されているような組織は、絶対に活性化していきません。ですから、今までも変えてきましたが、これからも手を緩める気はありません。

おかげさまでエンゲージメントスコアは上がってきましたが、まだまだです。私は「2025年に売上250億」という目標を掲げていますが、そのためには組織改革が欠かせません。ですから、新たな目標として2023年にエンゲージメントレーティング(※)AA(ダブルA)という目標を加えました

※エンゲージメントレーティングはエンゲージメントスコアを11段階で格付けしたものです。AAは11段階中、上から2番目のレーティングです。

西脇氏:この先は、サーベイの結果を部署長にも下ろしていこうと思っています。人って不思議なもので、一度スコアを見せられると、そこから下がるのを嫌がるじゃないですか。

「何でスコアが下がったんだ?」とか「スコアを上げるためにも改善していこう」とか、そういう感情を引き出しながら、うまくモチベーションクラウドを運用していきたいと思っています。

組織にいる人なら、誰にでも「あなたには言われたくないよ」という気持ちってあると思うんです。その点も、モチベーションクラウドなら客観的な数値と外部のコンサルタントからのアドバイスになるので、効き目が違いますよね

斎藤氏:言葉で言われるより、数値で見せられたほうが効くんだと思います。部署長に「評価がこういうふうに変わったよ」と言っても、「そんなのどうにでも変えられるよ」といった反発にもつながりかねません。

ですが、「スコアが2ポイント下がったよ」と言ったら、課題から逃げようがありませんよね。

自己発“働”型の人財が未来をつくる

斎藤氏:自ら動ける「自己発“働”型の人財」を増やしていきたいですね。従業員にはそれぞれ役割と権限が与えられていますが、みんながその役割と権限を理解したうえで自ら“発働”できる組織が、私が考える理想の組織です。

簡単につくれるものではありませんが、一人でも多く自己発働型の人財を増やしていけるような体制を醸成していきたいと思っています。

西脇氏:社長も言うように、目指したいのは自己発働型の人財です。私たちは現役でいる間、「弾み車」の弾みをつくっているつもりでいます。目指すべきところに向かって「弾み車」の弾みがつけば、私たちが引退した後も組織を変える活動が続いていくはずだと思っています。

斎藤氏:昔、上司から言われて今でも覚えている話があります。

「有名大学から新卒で5人採ったとする。でも、1年経ったら必ずピンとキリができる。キリを断ち切ったとしても、4人のなかでまたキリが生まれる。そのキリを組織のなかでどう生かしていくかが管理職の仕事なんだ」といった話でした。

どうやってキリの人間が生きる環境・組織を与えられるのかっていうのは、やはり我々の仕事なんです。

悪いところを改善したら、次は別の課題が目立ってきたというように、たぶん組織改革には終わりがなく、永遠のテーマなんだろうと思います。

そのなかでも、課題に早く気付いて早く対処するのは、経営者サイドの責任です。そういった意味では、サーベイでは毎回課題に気付かせてもらえるので、これからもしっかりと活用しながら、絶えることなく組織改革を続けていきたいと思います。

※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞や場所等は取材当時のものです。

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