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ルームクリップ株式会社

組織課題が顕在化する前に
モチベーションクラウドで「予防」する

ルームクリップ株式会社

代表取締役 兼 代表執行役員 CEO 髙重 正彦 氏
事業内容

日本最大の住まいと暮らし・ライフスタイルのソーシャルプラットフォーム

「RoomClip(ルームクリップ)」の企画・開発・運営

業種 情報・通信・広告

企業規模

51名~100名
導入規模 51名~100名

期待

  • 組織課題が顕在化する前に、組織状態を把握し先手を打ちたい

  •  組織施策の効果を定点観測したい

効果

  • 組織の現状を客観的に認識できるようになり、課題を発見できた

  • 組織施策、中でも理念浸透の効果を定点観測できるので、施策の検討がしやすくなった

日本最大級、住まいと暮らしのソーシャルプラットフォーム

「事業内容」

髙重氏:私たちは、RoomClipという、日本最大の住まいと暮らし・ライフスタイルのソーシャルプラットフォームを運営しています。

ソーシャルプラットフォームは、ユーザーとユーザーや、ユーザーと企業がつながることができる場所ということを意味しています。

具体的には、ユーザーがどのような生活や工夫をしているのかを、家の中の「実例写真」として、RoomClip内に投稿していただいています。

実例写真は現在約500万枚。実際に人が住んでる部屋の写真としては、日本で圧倒的な規模の量を持っています。月間のユニークユーザーは約600万人と、ユーザー数でも「住まいと暮らし」に特化したインターネットサービスでは日本最大級です。

企業には、自社の商品が使われてる投稿を活用してプロモーションをするなど、マーケティングプラットフォームとしてご活用いただいています。実際に自社の商品が使われている様子はなかなか見ることができないので、そこにもメリットを感じていただけていますね。

モチベーションクラウドで組織の問題を未然に防ぐ

「モチベーションクラウド導入の背景」

髙重氏:初めにモチベーションクラウドの話を伺った時はまだ導入を検討しておらず、興味があるな、くらいに思っていました。

体感ですが、組織やメンバーのモチベーションに大きな課題は認識していなかったので、組織に対して投資したり、特別何か施策をしたりはしていなかったんです。

しかし、2020年に発生したコロナ禍で一気にリモートワークが中心になり、メンバーがどのように働いていて、何を感じているのかを把握したいと思うようになりました。

これまでは組織に問題がなくても、このリモートワーク下では何が起きても不思議ではありません。
 
また、現在は事業を急成長させようというタイミングです。資金調達をして、大きくプラットフォームを進化させようとしています。今組織で躓けば、事業でアクセルを踏むことは難しくなるでしょう。

組織課題が顕在化していないこのタイミングで導入すれば、組織状態が悪くなるのを未然に防ぐことができます。モチベーションクラウドで自分たちの組織状態を把握し、「予防」に使おうと考え、導入することを決めました。

 「モチベーションクラウド導入前の課題」

髙重氏:先程お伝えしたとおり、組織で大きな問題は起きていませんでしたが、マネジメントを見直す必要があるのではないか、ということは薄々感じていました。

というのも、マネジメントの仕方が経営メンバーそれぞれで違っていて、チームごとに個人商店化してしまっていたんです。

もちろん、チーム間で仲は良いのですが、大事にしていることや目標設定の方法などが各チームで少しずつ異なっており、コミュニケーションにずれがあるように感じるシーンがありました。
 
これまではゆるやかにメンバーが増えてきたため、そういった状態であっても大きな問題は起きませんでしたが、今後さらにメンバーの増加が加速することを考えると、「バリュー」を作り、会社として大切にすることを示すべきなのではないかと思ったんです。

ただ、これはあくまで私自身の定性的な感覚ですから、会社全体として取り組むとなれば、感覚的な情報ではなく、客観的な数値で明確化したい。そこで、モチベーションクラウドで組織の現状をしっかり理解しておきたいと考えました。

「わかっているだろう」では伝わらないことがある

「モチベーションクラウドから得た気づき」

髙重氏:最初のサーベイ結果では、エンゲージメントスコアは64.3で、レーティングはAA(※)でした。モチベーションクラウド導入前から、私個人の感覚として組織状態は良いと思っていたので、その体感と一致しているな、というのが一番最初の感想です。

※エンゲージメントスコアとは、社員の会社に対する共感度合いを表す指数です。レーティングはエンゲージメントスコアを11段階で格付けしたものです。AAは上から2番目のレーティングです。

ただ、各チームの詳細な結果を見ると、チームごとに、メンバーが組織に期待していることが異なり、チームごとのマネジメントにばらつきがあるということがスコアに出ていました。
 
また、新しい気づきとしては、理念浸透がまだ足りていないことがわかりました。私たちは、企業として一番上位にミッションを置いており、メンバー皆が大切に思っているだろうと考えてしまっていました。

ですが、サーベイ結果を見るとミッションよりも事業の方が、メンバーの心の中心になっていそうだとわかりました。ここは大きな気づきでしたね。

確かに、これまでミッションについては、時間をかけてコミュニケーションをしてきていませんでした。

しかし、ミッションと事業内容を比べると、明らかに事業内容の方が可変的なものなので、メンバーにはもっとミッションを中心に考えてほしいと思っています。

今後は「わかっているだろう」ではなく、ミッションについてもっと時間をかけてコミュニケーションしなければと強く感じました。

リモートワーク下でのコミュニケーション量を確保する

「取り組んでいる施策」

髙重氏:今、リンクアンドモチベーションのコンサルタントの方の力も借りて、会社のバリューを作成しています。ミッション・ビジョンとは旗のようなもの。それだけでは日々の仕事にどう活かせばよいかわからないメンバーもいます。

そこで、ミッション・ビジョンをベースにおきながら、もう少し具体的に私たちの仕事の仕方としてはこういうことを大切にしようという共通言語を作ろうとしています。

また、バリューの作成の他にも、リモートワーク下でのコミュニケーションを活性化するための施策も実施中です。

例えば、新しく入ったメンバーにインタビューをし、動画で配信しています。インタビューには同じチームのメンバーや上司にも参加してもらい、立体的にその人について理解できるよう工夫をしました。

他には、テーマごとに集まってZoomで話す場を作ったり、私たち自身も生活者としてプロダクトに触れる機会を増やそうということで、ルームクリップで毎月一番投稿したメンバーに商品券をプレゼントしたりなどしています。

メンバーからの反応は良いのですが、このリモート環境下ではコミュニケーション施策はまだまだ足りないと思っています。

最近入ったメンバーだと、互いに会ったことがないメンバーもたくさんいます。バリューを作れば、たとえお互いについてまだ知らない状態だったとしても、同じ共通言語で仕事を進められるという良さがあります。

ですが、一方でしっかりコミュニケーション量を確保することも大切だと思うので、さらに良いやり方を考えていきたいです。

理念浸透の進捗管理に、モチベーションクラウドが効果的

「モチベーションクラウドの価値」

髙重氏:まずは、先程も話した通り、組織課題が顕在化する前に先手を打ち、未然に防げるところに価値を感じています。

ほかには、取り組みの効果を観測できるようになったことが大きな変化です。

理念浸透が大事だと思いつつ、これまでパワーをかけてこられなかったのは、効果が観測できなかったからというのが大きな理由だと思います。メンバーに「本当にわかりましたか」と聞いて回るのもおかしな話ですから。

私たちの会社は雰囲気として「理念のために頑張ろう」と熱さが表出する感じではないんです。冷静に、理念が大事だからやった方が良いと納得して動く組織なので、理念浸透が上手くいっているかどうかを組織の熱狂度合いでは観測できません。

これから理念浸透施策をやっていくにあたり、どれくらい効果があったのかをモチベーションクラウドで定量化して測るのが当社には合っていると思います。

モチベーションクラウドは、理念浸透系の施策に対する観測ツールとして特に価値を発揮するのではないでしょうか。

「自分に見えていないものが見えている人」同士が連携し、
ミッション・ビジョンの実現に向かっていく

「今後実現したいこと」

理念を実現するためには、違う文脈や専門性をもったメンバー同士が連携してインパクトを生み出す必要があると思っています。

ルームクリップは、個人と企業、オンラインとオフライン、テクノロジーとオペレーションが全て関わる事業なので、それぞれの視点からサービスを考えていかなくてはなりません。

そのために、皆が「自分に見えていないものが見えている人」が誰かを知り、その視点を掛け合わせていくことが大切だと思います。メンバーが互いに敬意を払い、理解し合い、それによって個人ではできないような成果を作り続けられる組織でありたいです。

また、理念が中心の組織ではありますが、宗教的に理念に熱狂するというよりは、ある種の気楽さを持っていきたいですね。

私たちのミッションは「日常の創造性を応援する」です。私たち生活者が日々の中で自分なりに生活を変えようとすることは、私たちは全て創造性だと思っています。それをサポートする存在であり続けることが私たちのミッションです。

さらに言えば、皆が住生活において自分はこういうことをすると楽しいんだな、嬉しいんだな、好きなんだな、というものを見つけて、他人と比較することなく自分なりの大切なものを育めるようになってほしいと思っています。

昨年、このミッション実現に向けたマイルストーンとして、事業を通じて世の中に何を提供していくかを中期ビジョンとして定めました。「人と人、人と企業が繋がる住生活の新しい産業と文化を築く。」というビジョンです。

住生活において、多くの人が創造性を発揮することが習慣になっている状態、それはもはや文化だと思います。「住生活の新しい文化を築く」の部分については、そのまま私たちのミッションを踏襲しています。

では、それを実現するために私たちが何をしていくかというと、「人と人、人と企業を繋げる」ことであり、「新しい産業を築く」ことだと考えました。

目下はこのビジョンの実現に向けて、組織づくりと事業づくりをどちらも動かしていきたいと思います。

※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞や場所等は取材当時 (2021年3月) のものです。
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