会社および事業の概要
金子氏:当社はタイ・ランプーンに所在し、設立30周年を迎える企業です。主に自動車およびバイクのエンジン関連の精密部品(内燃機関)の製造を手掛けています。現在、自動車業界を取り巻く環境は厳しさを増しており、これまで内燃機関の関連部品だけでなく、電気自動車(EV)の関連部品の取り込みといった事業転換を図り、新たな価値を創造していく重要な局面に直面しています。
モチベーションクラウド導入前の課題と、導入背景
金子氏:この厳しい事業環境下で、どのように新たな価値を生み出していくかを考えた際、最終的に行き着いたのは「人」の重要性でした。その中で、弊社ローカルスタッフが経営に参画し、リーダーとしての役割を強化することが不可欠なテーマとなっていました。
しかし、社内にいるだけでは見えない課題も多く存在します。客観的な視点で課題を把握し、組織の状態を可視化するために、第三者機関によるサーベイの導入を決定しました。
モチベーションクラウドを導入してみての所感と、現場での活用方法
金子氏:私の着任直後に初回のサーベイ結果を確認したのですが、上司と部下のコミュニケーションや評価報酬制度に関して、問題点が明確にあることが分かりました。着任後に、こちらの2点は確かに課題意識を持っていましたが、感覚的な所感のみならず、定量的にも「組織のどこに問題があるのかを具体的に把握できた」ことはありがたかったと感じています。
また、階層別、年齢別、部門別にその他の問題も具体的に浮き彫りになりました。着任直後に、このような目に見えづらい課題が定量的に見え、参考になるデータでした。
ただ、経営として重要なのは、結果を単なるデータで終わらせず、それを生かしてどのような組織に変えていくか、です。
我々経営陣としては、「リンクアンドモチベーション(以下、LM)のサービスはあくまでサポートであり、会社を良くする活動は自分たち自身で推進することが大事だ」と考えました。そのため、弊社のローカルHRに対しては具体的な改善策をトップダウンで伝達するのではなく、「あなた達が改善の主体者である」「自社を一番よく知るHRとして、皆さん主体で改善策を考えてほしい」ということを、期待とともに伝えました。
ですので現在は、経営として結果を踏まえた方針やテーマを問題提起はしますが、具体的な目標設定や改善策については、弊社HRが結果を自分たちで分析、さらに深掘りをして、考えてもらっています。
試行錯誤をしながらではありますが、トップダウンとして一方通行で意思決定するのではなく、ローカルHRが具体的に考えて、私がフィードバックや軌道修正をする、という形で経営とHRと議論・すり合わせをしながら、具体的な施策を進めています。
私自身の考えが常に正解とは限らないので、彼女たちの感性も聞きながらコミュニケーションを取っています。
日本人駐在員の交代や言語・文化の壁がある中で、ローカルのHRが主体的に組織施策を検討してくれることは、経営にとって非常にありがたいことだと感じています。

診断後に取り組んだ施策と、感じる変化
金子氏:サーベイ結果からまず明確に課題が出た、「上司と部下のコミュニケーション」・「評価報酬制度」の課題について、それぞれ施策を進めています。
上司と部下のコミュニケーションの課題に関しては、HR主導で、コミュニケーションに関する研修を企画して進めていますし、評価報酬制度についても、HRが検討して改善に向けて動かしています。
課題感に加え、サーベイで定量的に課題だと分かったので、すぐ改善策を着手するという経営判断に繋げることができました。
また、HRのみならずマネジャー層も以前と比較して良くなっている様子を感じます。
幹部に近い各部門のマネジャー層とは、現在、事業環境が厳しい状況も踏まえて、普段の会話の中でも、事業をどうしていくかの議論をしています。その事業環境を踏まえたスローガンとして「Speed、Challenge、Teamwork」を現在掲げていますが、その実現の上では、個々人の可能性を最大限発揮していかないと、会社は成長しないとのことが、ローカルの幹部層にも腑に落ち始めているのかなと思っています。
その結果として、もちろん人によって変化の度合いに差はありますが、製造、品質、営業、購買、HR、経理などの各部門でも、方針や各種施策に対して、自ら動いて行動するということが増えてきているのかなと感じています。
リンクアンドモチベーションに感じた価値と、今後の展望
金子氏:まずは、現状が客観的な視点で「見える化」されたことが大きな価値だと認識しています。それに加えて、会社としてどこに向かい、組織をどうすべきかという問いに向き合う際に、単に社内だけで解決するのではなく、客観的な視点や経験値を持つ外部のサポートとして、LMの助言をいただきながら取り組める点に魅力を感じています。
LMの経験値も踏まえて、現状分析のみならず、改善プロセスや実行に落とし込むところまでのサポートはありがたく感じています。今後もサポートをどうぞよろしくお願いいたします。


会社および事業の概要
Sawitree氏:当社は1996年にタイで設立された、自動車やオートバイ部品のエンジンや駆動系部品の製造を主軸とする企業です。現在自動車業界は「100年に一度」と言われる大変革期を迎えています。近年では、従来のガソリン車主体から電気自動車(EV)への移行が急速に進んでいるため、弊社もこの環境の変化に、直接的に影響を受けています。この環境変化に適応するために、現在弊社では、既存事業の深耕だけでなく、EV関連部品の取り込みなど、新たな領域の探索にも取り組んでいます。
モチベーションクラウド導入前の課題と、導入背景
Sawitree氏:モチベーションクラウドを導入する以前、弊社では、会社全体が数字や業績のみに着目しているような状態でした。もちろん企業として数字を重視するのは重要ですが、従業員が求めている「仕事から得る幸福」や「ワークライフバランス」といった、個人にとっての働きやすさや、働きがいという視点が不足していました 。
これにより、当時全体の離職率自体は決して高くありませんでしたが、データを詳しく紐解いてみると、エンジニアやIT部門といった組織の中核を担う重要なキーパーソンが辞めているという状況が続いていました。このような状態から、会社全体の業績と、従業員ひとりひとりの幸福の両立が重要であると考え、そのためにも、まずはキーパーソン層が会社に何を求めているのかを把握したいと考えたことが、モチベーションクラウド導入のきっかけでした。
また、弊社には、「การสร้างงานคือการสร้างคน」(仕事の創造は人の育成である)」というスローガンがあります。そして人を育てるには、従業員ひとりひとりが何を求めているのかを知り、それらに応えていく必要があります。そんな中、モチベーションクラウドでは、単に従業員満足度を調査するのではなく、従業員が何を求めているかという「期待度」と、それがどの程度提供されているかという「満足度」を診断し、そのギャップを把握できる点が、弊社の考え方に合致していると感じました。
モチベーションクラウドを導入してみての所感と、現場での活用方法
Sawitree氏:初回のエンゲージメントサーベイの結果を見て、スコアがタイの平均よりも低く、当初は非常に驚きました 。しかし詳細を見てみると、私たちが日頃から感じていた組織の肌感覚とかなり一致していました 。モチベーションクラウドでは、会社全体のスコアだけでなく、部署別、階層別など、どこに課題があるのかを詳細まで掘り下げることができます。私たちは、リンクアンドモチベーションの力も借りながらデータを深く分析し、どの部署の、どの課題に焦点を当てるべきかを数字ベースで掘り下げ、アクションプランを策定しました 。
Sairung氏:実際に行ったのは、診断結果をマネジャー陣に共有するシェアリングミーティングです。ここで、各部署のスコアを担当のマネジャーに共有し、部署ごとにどう改善するかのアクションプランを策定してもらいました。ただ結果を共有するだけでは、何が課題かを特定することは困難です。よってこの会では、リンクアンドモチベーションから結果の分析方法や、アクションプランの策定方法をレクチャーいただくことで、組織改善の経験がないマネジャーでも課題やアクションを明確にすることができました。
また、もう一つ重要だったのが、リンクアンドモチベーションから、スコアが特に低かったマネジャーに対して、1on1で個別サポートをしてもらったことです。これにより、自分の部下が部署やマネジャーのことをどう思っているかを理解してもらうことが、彼らが部下に歩み寄る良いきっかけになるのではと考えました。私たちHRが全員と1on1を行おうとした場合、特に距離が近いマネジャーとは、本音での議論が難しいのではと考えていました。そこでリンクアンドモチベーションに、中立的な第三者としてサポートに入っていただくことで、マネジャーが心を開いて話し、リンクアンドモチベーションからの提案を受け入れる可能性が高いのではと、考えました。

診断後に取り組んだ、経営と現場の視界一致と、公平な評価の促進
Sawitree氏:診断結果の分析と、現場でのアクションプラン策定の他にも、改善に向けた施策を実行しました。例えば、自動車業界は現在、EVへのシフトが進んできており、従業員の中には、「会社は今後も存続できるのだろうか」と不安を抱えているメンバーもいました。そこで取り組んだのが、社長から従業員への、経営方針やロードマップの共有促進です。激しい環境変化が起きる中、社長はこの状況をどう捉えているのか、長期的にはどのような方向性で事業を成長させていくのか、社長が持つビジョンやロードマップを共有することで、経営と現場の視界の一致を試みました。
また、評価の公平性にも取り組みました。これはどの会社でもある悩みかと思いますが、従業員は時に「評価が不公平だ」という感情を持つことがあります。弊社でも以前は、何が評価されるのかが曖昧になり、評価を見て従業員が驚くことがありました。そこで、評価の前に、そもそも何を評価するのかという項目を明確化し、評価の後にも、上司からフィードバックを与えることで、評価がより公平に実行されるように改善しました。
Sairung氏:評価の次のステップとしては、双方向での目標設定や評価を促進したいと考えています。目標を一方的に決めるのではなく、従業員自身に何に取り組みたいか、KPIを提案してもらい、そのKPIに向けた成果を測定することで、従業員の成長やモチベーションもさらに向上できるのではと考えています。
二回目の診断結果と、感じる変化
Sawitree氏:診断結果の分析と、それらをもとにした改善に取り組んだことにより、二回目の診断では、初回よりエンゲージメントスコアを向上させることができました。
また、スコアの変化だけでなく、実際にマネジャーを見てみると、マネジャーたちのエンゲージメントも上がっており、会社からの情報共有に対しても、以前より熱心に耳を傾けるようになったと感じます。また、この施策を通じて、部下を受け入れ、部下の問題に耳を傾け、共に問題を解決しようという意欲が高まったと感じています。
Sairung氏:私も、部下への上司の関心が高まったと感じます。ある部署では、マネジャーがHRのところに来て、自分が部下と行った1on1の結果がどうだったかを聞き、これからどう改善できるかを相談してきたマネジャーもいました。
また、HRとしてもこの施策を通じて、従業員のエンゲージメントを重視することが、組織を牽引する上で重要な要素になるという、新たな視点や世界観が開けたと感じています 。
Sawitree氏:しかし、一定の変化は見られましたが、これを定着させるためには、もう少し時間が必要です。これが短期的な変化だと思われないためにも、会社、HR、上司が持続的に変化に取り組むことが重要だと考えています。

リンクアンドモチベーションに感じた価値
Sawitree氏:リンクアンドモチベーションにはとても感謝しています 。当施策を通じて、会社が持続的に成長していくためには、利益という数字だけを追うのではなく、実際にそこで働く「人」が何を求めているのかを見なければならないという視点に気づくことができました。
そして、ただの満足度調査でなく、従業員一人ひとりが何に「期待」しており、その点についてどれほど満足を得られたのかという、期待と満足での診断は、私たちの人材育成の考え方にも近しいものがありました。
また、結果が出た後もそこで終わりではなく、リンクアンドモチベーションの専門性を活かし、現場のマネジャーへの結果共有や、個別での改善フォローまでしてくれたことも、とても重要であると感じました。
今後の展望
Sawitree氏:サーベイを2回実施し、ある程度の変化は見えてきましたが、これを本質的な変化につなげるためには、持続的な改善活動が重要になります。一度変わったとしても、「これは一時的な変化で、またすぐもとに戻るのではないか」と感じている従業員もいるかもしれません。
私たちは、エンゲージメントの改善という、正しい方向に進んでいると考えています。だからこそ、これまでの会社や上司の改善活動が「持続的な変化」であると従業員に信頼してもらえるよう、活動を継続できればと思います。
また、現在スローガンとして、「チャレンジ(challenge)、スピード(speed)、チームワーク(teamwork)」を掲げており、サーベイを通じた従業員の声を聞きながら、従業員と会社がともに持続的に成長する会社づくりをしたいと考えています。
Sairung氏:今後も取り組みを継続していく中で、新しい壁にぶつかるかもしれません 。その時に、次にどのようなアクションをとるべきか、リンクアンドモチベーションに専門的な知見ももらいながら、従業員と共に、歩みを進めていきたいと思います。

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