事業内容 | ■不動産情報サービス事業:総掲載物件数No.1(※)の不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME'S(ライフル ホームズ)」の運営 ※産経メディックス調査(2018.1.30) ■その他事業:花の定期便サービス「LIFULL FLOWER」の運営 |
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業種 | 情報・通信・広告 |
企業規模 | 1001名~2000名 |
導入規模 | 1001名~2000名(導入時) |
メンバー同志が連携できず、共通のビジョン実現を目指す「チーム」になれていなかった
仕事の意義を見失い、足元の数字しか見なくなっていた
売上昨対300%を達成
社員が自ら考え、自走できる組織になった
社員の皆が意見を言い合える環境が整備できた
菅野氏:私の部署はLIFULL HOME’Sのオムニチャネル戦略の企画立案実行部隊です。今まではLIFULL HOME’Sではインターネットで住まい探しをするだけのサービスだったのですが、それに電話やチャット、店舗という顧客設定を追加して、幅広くユーザーのニーズに寄り添うというところを実行しております。部署の人数や構成としては、11人在籍しておりまして、マーケターから企画職、それからエンジニアなど、職種が混在している形となっています。
菅野氏:私が着任したのは2017年10月だったのですが、当時、部署の業績は危機的な状況で、メンバーのモチベーションもかなり低い状態でした。具体的にはメンバーから、異動希望などの個別の相談や方針に対する反発の声が聞こえてきたりする状況でした。
業績も組織も良くなかったので、私としては業績改善が何よりもメンバーのモチベーションを高める方法だと思い、トップダウンの形で、業績に有効だと思われる手をどんどん打っていきました。
結果として業績自体は少しずつ上向いたものの、それでも目標には届かず、メンバーのモチベーションは上がらないままという状況が半年ぐらい続いていきました。
私からの指示が一方通行になりがちで、なかなかメンバーから提案が上がってこなかったり、コミュニケーション量が少ないせいでコミュニケーション上のミスやロスが発生してしまう、などが頻発していました。
伊藤氏:多分、グループの中では他のメンバーが何をやっているのか分からない状態で、でも目標を持っていて、そこに対して自分はコミットしているので、やっていかなきゃいけないという気持ちがありました。
結局メンバー同士が連携できず、「チーム」になれていなかったんです。個人の集まりになってしまっていました。私たちは何のために集客しているのか?、なんてことは考えずに、足元の数字だけをひたすら毎日追い続けているという、そんな毎日でした。
寒川氏:当時は、ちょっと言葉では表しづらいのですが、何のために働いているのか、どこへ向かっているのか、が見えない感じでした。当時は異動だったり、それこそ転職も本当に考えたりしていました。
菅野氏:そんなころ、モチベーションクラウドを使って、組織状態を調べたのですが、私達のユニットは全社の中では最低レベルのスコアでした。
それでも最初は、業績を上げなければということで業績改善に向けた手数を増やしていったのですが、結果、業績はそこまで大きくは改善せず、やり方を変える必要があると痛感しました。
そこで改めてモチベーションクラウドの結果を見ると、各項目の中でも、上司からのビジョンの発信や戦略の伝達というところは、私自身の行動を変えることで改善できるスコアだと思ったんです。
LIFULLはビジョンをすごく大切にしている会社なので、まずはその部分を改善しようと考えて、ビジョンに立ち戻ることにしました。
菅野氏:ビジョンというのは自分たちの向き合っているお客様に対して、どんな価値提供をするか、ということです。
なので、私達はビジョンを決めるために、サービス提供の現場、具体的にはわれわれがマーケティング活動をしている店舗に実際に出向いて、そこでユーザーさんが具体的にどういう相談、どんな悩みを持ってご来店いただいたのか、そしてそれに対して店舗のアドバイザー、スタッフがどのように提案して、課題解決をしているのか、というところをよく観察したんです。
実際の状況を目の当たりにすることで、改めて自分たちの存在価値に気付かされました。そして、そういった原体験をもとにしてビジョンとしての言葉にまで落とし込んだというところが最初のステップです。
その後、ビジョンから得たこと、やりたいと思った施策、それを戦略に落とし込むとこうだよね、というのを私がファシリテーションして、全員で大きなストーリーを作っていきました。
一方、戦略が絵に描いた餅にならないためには、何かしら実行力を担保する仕組みが必要だと思ったので、ユニットを横断する仕事を1人1個持ってもらうことにしました。
それがこの「担当大臣制」です。具体的には、サイト解析大臣であれば、各企画担当者が自分の施策の解析だけするのではなく、全体を俯瞰して解析をするという役割を持ってもらったりしました。
他にも、結びつけ担当大臣であれば、店舗とわれわれマーケターの距離を縮めるような役割を担い、情報流通をする役割をもってもらいました。
菅野氏:また、今までは施策の実行に多くの時間を割いていたのですが、一人ひとりの心にちゃんとビジョンや戦略が根付いているかが気になり、1on1の時間をより長く持とうという方針を設けることにしました。
これにより、1on1を繰り返しているうちに、信頼関係が築かれ、仕事上の悩み以外にもキャリアの悩みや、あるいは自分のパーソナルな課題も含めて、様々な悩みがその場で出てくるようになりました。結果として、今は1on1が、仕事の悩み以外にも包括的に問題解決をしていく機会になっています。
伊藤氏:自分たちがこんなにいいものを世の中に広めているんだという自信とともに一体感が生まれて、もっと広めるためにはどうしたらいいだろう? パフォーマンスを最大限に発揮するためにはどうしたらいいんだろう? ということをみんなが考えるようになりました。
それで行きついた先が、一人ひとりじゃなくて、みんなで一つの目標を達成しようという、そういう体制が自然にできてきたというのが今の状態なのかなと思います。
チームの雰囲気が変わり、今はとても楽しく仕事ができています。今までは、同じグループなのに、パーティションで区切られたところで一人で仕事をしているような感覚があり、壁を感じていました。
でも、今はみんなが同じ方向を向いているということが感じられるので、チームで一緒に仕事できる楽しみを感じています。
確かに目標はすごく高く辛いときもあるのですが、それと同時に、チームの皆と頑張ろうという気持ちが自然と出てくる、そんなチームになっているんじゃないかなと思います。
寒川氏:チームの雰囲気が変わる前は、異動や転職を考えていたのですが、今はそういうこともなく、組織のビジョンの達成のために情熱をもって進めていると感じています。
菅野氏:業績面の結果としては売上で言うと、昨対300パーセントで成長することができました。今まで何年もKPIをクリアできていなかったのですが、ようやく達成することができ、業績が上向いていくということを結果として得られました。
モチベーションクラウドは、「リーダーである私自身が解決すべき課題」「チームが一体となって解決すべき課題」、また「伝え方の問題」「伝わり方の問題」といったように、課題を整理して捉えやすく、非常に助けてもらっています。
羽田氏:当社は「理念経営」を標榜しております。採用時も理念に関する項目を重視して採用しています。ただ、日々仕事をしていると、どうしても足元の数字であるとか、業績にばかり目がいってしまいます。
今回菅野の部署は、ちゃんと現場に足を運んで、しっかりとお客様を見たうえで、自分たちの存在意義や理念を問い直し、それで大きな成果を上げたということが非常に素晴らしかったと思っています。
(VOICEのコメントは2018年にインタビューし、特設ページ「モチベーションクラウダーズ100」に掲載していたものを転載しています。)
私たちの会社は「ビジョン」「カルチャー」を基軸にして、一貫した経営活動を行うことを大切にしてきました。
人材採用も、あらゆる社内施策も、「ビジョン」「カルチャー」に基づいて判断をするので、基本的にはズレは出てこないのですが、組織は人で形作られていますので、どうしても色々な問題が起こることもあります。
問題の発見が遅れると、社員がモチベーションを落とし、組織に歪みが生まれる可能性もあるので、モチベーションクラウドによって定期的に「組織の健康診断」をしています。
問題が発生する前に課題を解決していくことで、社員がやる気に満ちた状態を維持できていると思います。モチベーションクラウドはLIFULLにとって、本当に重要な経営ツールです。
私たちの会社では、エンゲージメントサーベイが、紙のアンケートでしか実施できなかった時代から活用していますが、その頃から比べると格段に使いやすくなったと思います。特に、何度でも実施できる点が非常にいいと思います。
そのうえ、分析に時間がかからないので、すぐに組織の状態が把握でき、各部門の結果も見やすくなり、管理職へのフィードバックもしやすくなりました。課題を明確に伝えられることで、現場でのアクションもとりやすくなったと思います。
経営資源を人・もの・カネと表現したりしますが、私は同列に語るべきじゃないと思っています。ものやカネを活用して、社会に価値を提供するのは「人」です。人や組織がいかに力を発揮して、事業を成長させ社会に価値を提供するか、という考えに基づいてつくられたモチベーションクラウドのコンセプトに共感しています。
「モチベーションチームアワード2020」を受賞された、株式会社LIFULL PT. LIFULL MEDIA INDONESIA(子会社/インドネシア現地法人)の取り組みをご紹介します。「モチベーションチームアワード」とは、組織変革に向けた取り組みによって、エンゲージメントスコア (組織診断ツール「モチベーションクラウド」により算出) が上昇し、組織に大きな改善が見られた部署を発表するものです。
■ 主力事業以外が苦戦していた
2016年9月にジャカルタに子会社法人代表として赴任し5事業を1年半運営したが、主力事業以外の4事業は競争力がなく苦戦していた。
■ 主力事業以外のメンバーが仕事に心からの自信を持てていなかった
特に主力事業以外のメンバーは、仕事に心からの自信を持てていない状態だった。具体的には、自身の行動が全体の目標や社会貢献に繋がっている実感が持ちにくい、知識が一部社員に偏り社員による実力差が大きい、ということが起こっていた。
■ 事業改革の実施とビジョンの策定
2018年後半に不採算の3事業を撤退、有望な新規事業(Webコンサル事業)の開始。これに伴い、人員配置を大きく変更した。大規模な人員配置変更に伴い、会社全体とチーム毎のビジョンを初めてボトムアップで議論して作成。マネジャー7名を予め巻き込んだことで、メンバー全員の参加姿勢を引き出すことができた。
■ 会議体と業務環境の見直し
会議の中で、自社事業の成長性と社会への影響度の認識合わせ、各事業毎の分析や状況の共有、ナレッジシェアを積極的に実施するようにした。
また、以前からの課題であった業務環境の改善を目的にオフィスを移転。より生き生きと働ける環境に変化した。業務上必要なIT環境も改善した。
■ 採用基準の厳格化と次世代リーダー育成
採用基準を厳しくし、ビジョンへの共感に加え、十分な知識スキルを持つ人材のみを厳選採用するようにした。(以前はポテンシャル採用が多かった)また、並行して次期リーダーの育成に着手。後継者を明示し、本人へ強力なサポートをしつつ次期リーダーとしての覚悟をもって取り組んでもらった。
■ 仕事への責任感や自信が向上した
全ての部署のビジョンを、部署毎に全員で議論して一緒につくったことで、ビジョンと各自の仕事とのつながりが腹落ちし、メンバーの仕事への責任感や自信が向上した。
■ 自主性が向上し、生産性が高まった
採用基準変更により、高度な知識・技能を持つ社員が増えたほか、刺激を受けた既存社員の自主性が向上し成長意欲が高まった。また、事業成長性や現状、ナレッジ等の共有を丁寧に行ったことで、業務に対する議論の質が向上、生産性が高まった。
■ 事業収益が大幅に向上した
複数の取り組みを実施したことで事業収益は数倍になり生産性の高い組織になった。主力事業である賃貸仲介事業は順調な成長を続け、現地では最大規模のシェアを拡大した。また、新規事業も2018年から2019年の売上成長率が数倍に達し、会社を支える事業になるほど大きな伸びを実現した。
「Providing The Best Lifestyle Platform Where Indonesian Can Have More Fulfilling Lives」という私たち (インドネシア現地法人) のビジョンを形にするために、社員全員が一体感を持って全力で働き、大きな業績・高い成長率を実現できる状態を目指していきます。